水に因むの星座 (No. 737)

date 2022 09 07
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星座も夏から秋へ変化しています。
この季節の星座は、なぜか海に突入していきます。

図1は今日午後9時頃の南の夜空です。
半月より少し膨らんだ月が南の空に見えていると思います。
月は毎日動くので、明日、明後日と+印で11日までの位置を示しました。

月の次に目につくのは、東よりに木星、ほぼ南方向に土星がみえます。
地平線に近い方に「みなみのうお座」のフォーマルハウトがあります。
これは三つの星を使うと、図のように逆三角形が作れます。
とても簡単に見つかるのでお試しください。

次に矢印で示した、ティーポットの取っ手ところ星を見つけましょう。
この星はヌンキという名前を持っていて、
その意味は「海の始まる所」。
つまり、オレンジ色で示した黄道(お誕生日星座の並んでいる線)に沿って、
ここから東側が海ということです。

ここから東側に海や水に関係した星座が並んでいて、
昔の人にとってはこの辺りは天の海だったのでしょう。
うお座、くじら座、みなみのうお座、みずがめ座が見えますね。

やぎ座は海じゃない、どちらかというと山じゃない?と思われるかもしれません。
この星座は本当は「ヤギ魚」という
メソポタミア独特のキャラクターです。

古バビロニア王国の時代と思われるハンコにヤギ魚の図柄を見つけることができます。
大英博物館にある印影がありますが、若干不鮮明なので私が読み取って
想像力をたくましくして再現したのが図2です。
この上半身がヤギで下半身が魚の想像上の生き物が「ヤギ魚」です。
やぎ座も海の産物ということで納得できましたでしょうか。
ということでヌンキから東が星座の世界では海ということになります。





図1 今晩午後9時頃の南の夜空 (Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/737-fig1.jpg
図2 紀元前2000-1600年頃の円筒印章(大英博物館蔵)からの印象で描いたヤギ魚 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/737-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/737-fig.pptx references will be note-737.jpg