いるか座を見つけよう (No. 740)

date 2022 09 28
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大きくて形も見事な見つけやすい星座というものはそんなにたくさんありません。
一方、明るい星も少ないのだけれど、
一度見たら忘れられない綺麗な形の小さい星座というのがあります。
このコーナーでご紹介した「からす座」「かんむり座」などがそうです。
今日は「いるか座」を追加したいと思います。
ちょうど今の季節、南の空の高い位置に居て見つけやすくなっています。

図1は今晩午後8時頃の真南から目を頭上に向けた時に見える星々です。
真南から+印の天頂(頭上)向けた線を赤で描きました。
彦星から左上にたどってください(赤矢印)。
市街地の光がなければ肉眼でも良く見えますが、
双眼鏡をお持ちでしたら左下の図のように菱形のボディに尾がついたイルカの
綺麗な形が見えると思います。

いるか座は紀元前からある由緒正しい星座です。
ただ、昔の星座絵を見ると(図2左)、
なんだか奇妙な生き物に描かれています。
ウロコがあったりしてあまり可愛くないですね。
気に入らないのでモダンバージョンを右に描いてみました。

なぜイルカが星座になったか。
ギリシア神話はこう伝えます。
海の神ポセイドンは、同じく海の老神ネレウスの娘アンフィトリテの踊る姿に一目惚れし、
強引に連れ去り妻とします。
しかし、アンフィトリテは嫌でたまらず逃げ出します。
そして、これもまた海の神オケアノスにかくまってもらいました。
ポセイドンは探し回りますが見つかりません。
そんな時、イルカが現れてアンフィトリテの居場所を教えます。
ポセイドンはやっとアンフィトリテに会うことができ、なんとか頼み込んで戻って来てもらうことができたそうです。
このお礼にイルカは星座として天に上げられたということです。
はたしてこのイルカはいいことをしたのか。
現代感覚でいくと怪しいですが。


図1 今日の午後8時頃の夜空(Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/740-fig1.jpg
図2 いるか座の古い星座絵(ミデルトンの星座図, 提供 Linda Hall Library) と現代版の星座絵 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/740-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/740-fig.pptx references will be note-740