くじら座 (No. 747)

date 2022 11 16
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くじら座の名をご存知でしょうか。
日が暮れて午後7時頃南東の空に見えています(図1)。
くじらというだけあってとても大きな星座です。

見つけ方ですが、まずずは、木星を見つけます。
木星は南東から南に向いてちょうどいい高さにビラギラ輝いています。
これは間違うことはないでしょう。
木星から下に向かって視線を移動するとAの星が見つかります。
これがくじらの尻尾に当たる星です。
そこから水平に左に目を移すとBの星が見つかります。
これがくじらの鼻先です。
左に行きすぎるとおうし座のアルデバラン(C)やスバル(D)が目に入って来ますので、
そこよりは右です。
Cの星は1等星ですが、AやBの星は2等星とやや暗い星です。
星座の形は図2を参考にしてください。

図2のMの位置は不思議と思いませんか。
線が有るのに星が光っていません。
実はここにくじらの心臓「ミラ」という星があります。
しかし、この心臓の鼓動周期は約332日と、さすが巨大くじらだけあってゆっくりと動いています。
現在はこの星は縮んでいて暗くて見えません。
おそらく来年の初夏の頃、
大きく膨らんで明るく見えるはずです。
2等星か2等星くらいにはなるでしょう。
くじらはだいぶご高齢で不整脈があるらしく、
周期は不安定で、最も明くなる日を正確に予測することはできません。

図2を見て気がついたと思いますが、
くじら座の姿は私たちが知っているクジラではなく、
神話で出てくる化けクジラで、
アザラシやオットセイに似ています。
ギリシア神話では海の神によって派遣された化け物で、
津波を起こしたりアンドロメダ姫を襲ったりという恐ろしい役で出てきます。
起源を遡ると、
ギリシアよりも古いメソポタミアの女神ティアマトがモデルになっているということです。




図1 11月16日午後7時頃の南東の夜空(Stellariumを用いて作成) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/747-fig1.jpg
図2 くじら座の星 ()内、星の名前と意味 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/747-fig2.jpg
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