夜が長い冬至の頃 (No. 752)

date 2022 12 21
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まだ暗いうちから起きなければならないし、
仕事が終わって帰る頃は真っ暗です。
12月22日は冬至で、一年のうちで夜が一番長い時期を迎えています。
「なんでこうなるの」と言われても、
そういう状態なんだから仕方ないとしか言いようがありません。
太陽の高さとか位置とかそんな理屈ではなく、
地球を宇宙から眺めてみれば一目瞭然です。

今、民間初の月着陸船が11日に打ち上げられ話題になっていますが、
月着陸船から地球を見たら図1のように見えているはずです。
右下から太陽の光が差し込んでいます。
一方、左上は真っ暗い所でこの辺りが夜に対応します。

地球の自転は三角形のマーク(北極点)の周りの回転です。
自転周期は24時間です。
北極に近いところでは黄色い点線に沿って自転しますので、
一日中、夜です。

中国、日本、北アメリカなど中緯度の地域はピンクの矢印に沿って回っています。
ですから、たくさんの時間を真っ暗な影の部分、つまり、夜を過ごし、
太陽の光が差している昼間は少ししかありません。
ポイントは、
冬至の頃というのは太陽の光が図のように右下から差し込んでいる状態になっている、
ということです。
太陽の光が差し込む方向が右上に移動して、
昼間が長くなってくるまでにはまだ2、3ヶ月必要です。
つまり、春まで待ってくださいということですね。

図2右の図のように自転軸がまっすく突っ立っていると自転した時に、
昼と夜は均等配分されるので、冬至のように夜が長い、夏至になると昼が長い、
といったことはありません。

ただし、非常に特殊な場合があります。
図2右は太陽の周りの運動を示していますが、
もし、自転がすごくゆっくりで周期1年だったとします。
すると図のようにいつも同じ場所(図で鳥のいるところ)が太陽に向いて、
そこはいつも昼間になっています。反対側は永遠に夜です。

こういうのをダイダルロックしていると専門用語ではいいます。
「第二の地球探し」と言って太陽系以外の惑星探査が進んでいますが、
タイダルロックしている惑星もいっぱいあって、
もしそういうところに生物がいたらどうんな生活しているんでしょうね。





図1 夏至近くの地球を宇宙から見たら(Mitaka(国立天文台)を用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/752-fig1.jpg
図2 自転と夜昼の関係 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/752-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
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