隕石の恐怖 (No. 762)

date 2023 03 04
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宇宙空間のチリや小石のようなものが地球に落ちてきます。
小さければそれは流れ星となって、綺麗だねと呑気にしていますが、
隕石となって落ちてくれば大変なことです。

岩石が地球に降ってくること自身は仕方のないことです。
なぜなら、
太陽が誕生した頃、
太陽の材料物質の一部が小さな砂つぶとして太陽の周りを回っており、
それが集まって地球のような惑星ができたのです。
地球が存在するからには、
材料の残物であるそういった砂つぶや石ころのようなものが地球の周りにあるのは自然のことです。

災害が起こるような隕石の落下は、
陸地では11年に1回くらいだそうです。
山形県では1922年5月30日に落下した「長井隕石」が有名です。
最近では2013年にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石が大きな被害を及ぼし、
大きく報道されました。
この時の落下した小天体のサイズは17メートルほどでした。

さらに大きい小惑星が地球に落下する確率もあります。
図1は現在知られている災害を及ぼす可能性のある小惑星の軌道です。
結構危ない空間に地球はいるのですね。
「でも、滅多にないことなんで気にしなくていいじゃない」と思う方もおいでかもしれません。
しかし、実際に隕石の衝突によって地球の王者だった恐竜が絶滅したことは有名です。

図2は、小惑星のサイズと数の調査結果です。
恐竜を絶滅させた小惑星のサイズは10kmくらいと推定されていますが
その数は一千万個くらいです。
これが実際に地球に落ちてきたわけですから、
1kmサイズのものなら数十億個あるのですから、
1kmサイズの小惑星は近々落ちてくるかもしれないという気になってきます。
チェリャビンスク州に落下した小惑星のサイズが17メートルほどでしたので、
1kmサイズだと相当のダメージを人類に与えそうです。

実際、高性能の望遠鏡で地球接近する小天体を監視することが行われています。
SF小説に出てくる地球防衛隊のようですね。




図1 地球に災害をもたらす危険のある小惑星の軌道(提供:NASA/JPL-Caltech) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/762-fig1.jpg
図2 小惑星の数のサイズ分布(提供:Morbidelli 他、2009年、ICARUS, 204, 558) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/762-fig2.jpg
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