タイムマシン映画 (No. 764)

date 2023 03 18
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自由に時間を移動できるタイムマシンカメラがあると楽しいですね。
3台のカメラがあって、カメラAからは関ヶ原の戦いが見えて、
カメラBではその30年後の賑やかな江戸の街が覗けて、
カメラCでは、そのずっと後の明治維新の東京が見えていたりして。
タイムマシンカメラがあれば歴史の研究は大いに進むでしょう。

本当にそんなタイムマシンカメラをジェームズ・ウエッブ望遠鏡が見つけたので紹介しましょう。
図1は RX J2129と呼ばれる銀河団(銀河がたくさん集まったもの)です。
銀河は白っぽくぼんやっとしたたくさんのシミのようにみえています。

さらに、オレンジ色に見えているのも銀河でです。
楕円形やなんとも表現しずらい形で見えています。
これらの銀河は銀河団の向こう側、ずっと遠くにある銀河です。
位置関係を図示すると図2のようです。
私たちは銀河団を見ているのですが、
銀河団の向こうにある遠方の銀河も重なって見えているのです。

銀河団の質量は莫大なので、アインシュタインの一般相対性原理が予言した通り、
遠方銀河から出た光は銀河団の重力によって曲げられて、
私たちに到達します。
虫メガネレンズと似ているので重力レンズと呼びます。

図1では、ある銀河から出た光が、
三つの経路を通って像を結んだので、
A, B, C の三箇所に同じ銀河が見えています。
拡大像を右の枠の中に示しました。
それぞれの像は光の経路が異なっており、長い経路を通ってきた光は、
長い時間旅をしたので過去の像になっています。

Aでは赤い矢印のところに超新星爆発が見えています。
それから、320日後の姿がB、そして、1000日後の姿がCです。
BとCの像では時間が経ったため超新星は消えてしまっています。
つまり、A、B、Cは3台のタイムマシンカメラになっていて、
同じ天体の違った時間での映像を私たちは一度に見ているのです。











図1 ジェームズ・ウエッブ望遠鏡とらえた三つのタイムマシン映像 (提供:ESA/Webb, NASA & CSA, P. Kelly) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/764-fig1.jpg
図2 重力レンズ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/764-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/764-fig.pptx references https://esawebb.org/images/potm2302a/