さそり座 (No. 779)

date 2023 07 01
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さそり座というと夏の星座の代表格と思われていますが、
実際は夏本番の8月には、さそり座の隣のいて座の方がよく見えていて、
夏休みのキャンプではさそり座は西の空に沈みかけており、
よく見えないという事態になります。
さそり座がよく見えるのはむしろ梅雨の真っ只中の今の時期です。

今日晴れていれば満月より少し前のお月様が眩しく輝いているのが見えるでしょう(図1)。
その月のすぐそばに赤く怪しく光る星が見つかると思います。
これがサソリの心臓の星「アンタレス」です。
今日晴れないときは明日でも構いません。月は東隣(左側)のいて座に移動していますが、
南の空にアンタレスはよく見えていることでしょう。

さそりの形をたどってみましょう。サソリの心臓の星から左下方向に向かってサソリの毒針の位置まで綺麗に星がならんでいます。
この形は釣り針にも似ているので日本ではうおつり星という名前で呼ぶ地方もあるそうです。
形が想像しやすいように絵を書いてみました(図2)。

サソリの絵を書いていて思ったのですが星座絵のサソリの爪は小さくて貧弱です。
西隣のてんびん座が実はサソリの大きな爪のあった場所でないかと思われます。
てんびん座のアフファ星とベータ星は北の爪、南の爪という名前をもっていて、
これはてんびん座の位置がさそりの爪だったことを物語っています。
てんびん座も古くからある星座なので、同じ場所がさそりだったりてんびんだたりと
地域や時代によって交錯しているようです。

うまく見つかったらさそり座の上に、将棋のコマのような形をしたへびつかい座も見つけられると思います。
大きな星座です。
図1の赤い線をよく見ると、
へびつかいの右側と左側に蛇の頭と尾があることがわかります。






図1 7月1日午後9時ごろの南の空。(Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/779-fig1.jpg
図2 さそり座のイメージ図 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/779-fig2.jpg
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