マヤ文明は金星大好き? タイトル (No. 788)

date 2023 09 02
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東京国立博物館で明日まで古代メキシコ展をやっているということでマヤ文明が話題になりました。
そこで、
マヤの人々は金星が大好きという話を聞きました。

今年の初夏の頃、夕方に金星がよく見えていたのを覚えているでしょうか。
金星はいつのまにかいなくなって、
今はどこに行ってしまったのでしょう。
私は朝が苦手ですが、朝が得意な方なら、明け方見えているよと言うでしょう。
綺麗で目立つ星ですが明け方に見えたり夕方に見えたり、それも決まった季節ではありません。
宵の明星でみえるのは春のこともあれば秋のこともありと、不思議な動きです。

マヤの人々は金星の周期が584日であることを知っていました。
地球から太陽を見たとして、金星がどこにあるかは図1のように表せます。
地球の公転軌道より内側の軌道を金星は動いています。
そして金星の方が速い速度で公転するので図1のような動きになります。
太陽の右側(西側)にて、しばらくすると太陽の向こう側に、そして、太陽の左側(東側)に移動し、
今度は太陽の手前を通って、最初の太陽の右手に戻ってきます。
この周期が584日というわけです。

では、584日の半分の292日で宵の明星と明けの明星を行ったり来たりかと言うと、
そうであるようでそうでもないという図2のような不思議な関係です。
マヤの暦によると、明けの明星として236日間を過ごし、潜伏期間90日のあと、
宵の明星として250日間を、そして、潜伏期間8日を経て、元の明けの明星に戻るという動きです。

ここで面白いことがあります。
金星の5周期が太陽暦の8年に一致することです。
584日かける5と365日かける8はいずれも2920になりますね。
なので金星の動きは8年ごととに繰り返します。
今年初夏に宵の明星が綺麗でしたが、8年後の2031年の初夏にはまた同じような金星が見えるはずです。
このころ私たちはどんな気持ちでこの金星を見るのでしょうね。










図1 地球から見た金星の動き http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/788-fig1.jpg
図2 明けの明星と宵の明星の周期 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/788-fig2.jpg
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