秋の四辺形と惑星 (No. 793)

date 2023 10 07
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秋の星空を代表するのは「秋の四辺形」です。
しかし、星が4つあればみな四辺形を作りますので、
多分これのことだろうなと思っても、
自信をもってこれが秋の四辺形と言える方は少ないかもしれません。
今がチャンスです。
木星と土星がサポートしてくれているのでしっかり見つけることができます。
この際に覚えてしまいましょう。

図1は今晩8時ころの東から南の方向の星空です。
中央の高い位置に秋の四辺形(緑の点線)があって、
その西側(右側)に土星、東側(左側)の地平線近くに木星が輝いています。
土星も木星も星座を作る恒星より一段と明るいので間違えることはないでしょう。
左から、木星、秋の四辺形、土星と並んでいれば間違いありません。

秋の四辺形は星座としてはペガスス座です。
ペガソスとかペガサスとか発音がいろいろされるとおもいますが、同じことです。
翼を持っていて天を翔ることができる馬です。
図のように星の並びを追いかけると、前足と首から頭の部分がみつかります(青の実線)。

四辺形の中でもα と書かれた星が厄介です。
馬の形からも想像できますがこの星の名前は「馬のへそ(アルフェラッツ)」といいます。
ところが国際天文学連合は天空の全部を境界で区切って星座を作ることを決めました。
そこで問題なのは、ペガススとお隣のアンドロメダの境界をどうするかです。
昔から星座線を引く時、
αの星は馬のへそであると同時にアンドメダ姫の頭でもあったのです。
二つの星座で共用していたのです。

どのような議論をしたのかは知りませんが、
現在では図2のように星座境界線を引いています。
結果としてαの星はペガスス座には属さず、アンドロメダ座に帰属することになりました。
天馬は、おへそを天文学者によって切除されてしまったのですね。
かわいそうですね。



図1 10月7日午後8時頃の夜空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/793-fig1.jpg
図2 ペガスス座とアンドロメダの境界線 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/793-fig2.jpg
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