アークトゥルス (No. 817)

date 2023 04 06
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一度覚えたら忘れない星を見つけましょう。
星座探しよりずっと楽な楽しみ方は星探しです。

麦が実る頃、収穫を終えて暗くなると、とても目につくという「麦ぼし」を探しましょう。
これからの季節に見える星なので、まだ昇ってくるのが遅めです。
午後9時頃、東の空を見てみましょう。
図1のように見えるはずです。
麦星は、とても明るいので見つけ方の説明はいらないでしょう。
東の空で一番明るい星です。
近くには一等星のしし座のレグルスやおとめ座のスピカも見えていますが、
それらよりもずっと明るいので目立ちます。
0等星です。

明るい星なので色の違いもわかると思います。
周りの星々は白っぽいのに、黄色からオレンジ色に麦ぼしは見えるます。
その色の透明感も含めてジョッキにはいったビールの色です。
私はビール星と呼ぶことにしています。

麦ぼしがみつかったら、ちょっと周りの星との関係に注目しましょう。
北側に北斗七星があって、北斗七星のひしゃくの柄の部分を延長すると、自然にカーブして麦星にぶつかりますね。
この北斗七星と麦星の位置関係を覚えてください。
北斗七星と麦星のこの関係は11月の雪が降る頃まで見えていて、
この間ずっと使えますのでとても有用です。
他の星を探すときの基準になるほどです。

麦ぼしの西洋での呼び名はアークトゥルスだそうです。
意味は熊の番人です。
北斗七星のところはおおぐま座ですので、熊にいつもくっついているのでこんな名前になったのでしょう。

この星の天文学的な特徴をあげるとすると、
まず、地球から近いこと。
たった37光年しか離れていません。
次は、表面温度が、太陽の6千度よりもずっと低くて、たった4千度しかないことです。
図2で示したように、赤く見えるさそり座のアンタレスやオリオン座のベテルギウスと太陽との
中間くらいの温度です。
そのために麦色になったのです。




図1 4月6日午後9時頃の東の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/817-fig1.jpg
図2 星の表面温度と色の関係 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/817-fig2.jpg
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