部分日食

7月22日に山形では部分日食がみられます。トカラ列島、屋久島、種子島、
奄美大島の一部では、太陽が完全に隠される皆既日食になりますが、
山形では部分日食です。見られる時刻と大体の様子は図1のようです。
めったに無いことですのでぜひ晴れて欲しいものです。

地球ひとまわりが4万kmですが、月までの距離が38万km、
そして太陽までは1億5千万km、この広大な宇宙で、太陽、月、地球が
一直線に並び、そのため地球から見て、月と太陽が重なってみえる現象です。
宇宙空間を直観的に感じる機会ですからぜひ観察してみましょう。

ただし、太陽は非常に強い光を放っていますから注意しないと目を傷めてしまいます。
日食と言うことでついつい長い時間太陽を見てしまいます。
たとえ、黒い下敷や煤をつけたカラスやサングラスなどを通して見ても、
危険です。見た目は光を遮断しているように思いますが、実は可視光線は遮断
できていても赤外線までは遮断できていないので、気がついたら目が痛くなり
網膜炎、ひどいときは失明してしまいます。図2を参考にして直接見ることは
やめましょう。

では、安全な見方はどんなものでしょう。例えば、望遠鏡を用いた投影法など
がありますが、これは専門家にお願いしてみせてもらうには良い方法です。
自分でできる方法としては、厚紙などに1ミリメートルくらいの小さな穴をあけ
穴から出てくる太陽の光を何かに写してみるという方法があります。
ピンホールカメラの方法です。
図2の左下の写真は、クラッカーにあいた小さな穴が映し出す太陽像が三日月のように
欠けている様子です。
同じ原理で、小さな手鏡を準備し、鏡に反射した太陽光を遠くの建物の壁などに
写してみるのもよいでしょう。

次回山形でみられるのは2012年5月21日で、やはり部分日食です。

図1 部分日食の様子と日食のしくみ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/92-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/92-fig1.jpg
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図2 観察の方法
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/92-fig2.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/92-fig2.jpg
(提供:国立天文台)
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