Yamagata_Pulsar_online_meeting(鈴木寛大氏講演)
講演タイトル: | 付随するコンパクト天体の運動を用いた超新星残骸の年齢推定の信頼性評価(招待講演) |
講演者: | 鈴木寛大(甲南大PD) |
日時: | 2021年5月20日(木曜) 16:30-17:30 |
概要: |
一般の超新星残骸に対して推定できる年齢には、衝撃波速度と衝撃波半径などから求められるダイナミカルな年齢とX線プラズマのスペクトル解析から推定できるプラズマ年齢がある。しかしこれらには進化モデルの仮定や距離、プラズマ体積などの定量化できない不定性が伴うため、年齢推定の信頼性も不明であった。歴史資料などから既に信頼できる年齢が得られた天体はわずかである(e.g., Green & Stephenson 2003)。
本研究では、超新星残骸にコンパクト天体が付随しかつコンパクト天体の固有運動が分かっている系8個に着目し(Popov & Turolla 2012; Ng & Romani 2007; Hobbs et al. 2005)、爆発中心の座標を推定することにより、信頼できる年齢推定の一種と考える運動学的年齢を定量的・系統的に初めて推定した。爆発中心の推定には超新星残骸の衝撃波の形状を楕円でモデリングする手法をとり、衝撃波シェルが欠けた天体を含めて推定に成功した。次に、運動学的年齢を求めた天体と既に信頼できる年齢が知られた天体を合わせた24個を用い、信頼できる年齢に対し、超新星残骸のダイナミカルな年齢とプラズマ年齢、付随するパルサーの特性年齢を比較した。その結果、ダイナミカルな年齢とプラズマ年齢は約4倍のファクターの範囲内で信頼できる年齢と一致することが分かった。一方、先行研究と同様(e.g., Nakano et al. 2015)、付随するパルサーの特性年齢は信頼できる年齢より4倍以上大きいケースがいくつか見られ、系統的に大きい可能性がある。本論文はApJから出版が決定し、arXivで公開された(https://arxiv.org/abs/2104.10052)。
reference: https://arxiv.org/abs/2104.10052 |
SKAJP Pulsar online meeting
講演タイトル: | (論文紹介) Periodic and Phase-locked Modulation in PSR B1929+10 Observed with FAST by Kou et al. 2020 |
講演者: | 柴田 晋平 (山形大学) |
日時: | 2021年3月25日(木曜) 09:00-10:00 |
概要: |
180度離れたInter pulse と Main Pulse の相互関係の single pulse 解析:磁気圏構造へのヒントが
得られるかもしれない。
reference: arXiv:2012.10156 |
SKAJP online meeting
講演タイトル: | Hard X-ray Emission from Magnetars |
講演者: | 柴田 晋平 (山形大学) |
日時: | 2021年2月18日(木曜) 16:30-17:00 |
概要: |
マグネターからのHard X線の起源として最も有力視されている共鳴コンプトン散乱の最新の研究状況をreviewする。 see also Baring et al. 2020 Proceeding of Sciene, astro-ph/2012.10815 |
パルサーグループセミナー
FRB (Fast Radio Burst)研究の現状
招待講演タイトル: | 「高速電波バーストとそのエネルギー源」〜FRB (Fast Radio Burst)研究の現状 |
講演者: | 木坂 将太 (広島大学) |
日時: | 2021年2月4日(木曜) 10:30-12:00 |
概要: | 高速電波バーストは宇宙論的距離で起こる継続時間がミリ秒程度の電波の突発現象である. 2013年にその存在が確立されて以来, リピーターの存在, ホスト銀河の同定, 定常電波源の発見など毎年のように重要な観測的進展が報告されてきた. 2020年も, 10-100日の周期性や銀河系内のマグネターからX線でのバーストに伴う電波バーストなどの重要な発見が続いており, 理論的解明に向けた情報が集まりつつある. 本発表では, このようなFRB研究の進展のレビューを行なった後, 特に中心天体の正体について議論を行う. |
パルサーグループセミナー (see also this)
中性子星の内部構造
招待講演タイトル: | 中性子星の状態方程式への制限の現状と今後 |
講演者: | 木坂 将太 (広島大学) |
日時: | 2020年11月26日(木曜) 10:00-12:00 |
概要: | 中性子星の内部は質量密度が原子核密度を超えた状態が実現していると考えられ、そのような極限下の物理状態を調べることが可能な非常にユニークな実験場として注目されてきた。内部構造を調べる上で実際に測定できる物理量として、質量と半径が挙げられる。ここ数年、重力波や地上実験、X線観測の進展により中性子星の質量-半径関係が決まりつつある。セミナーでは、これらの制限の方法、特にNICERによるX線観測の結果を中心に紹介したのち、得られた結果を今後どのように活用するか、次に何をすべきかについて議論したい。 |
回転駆動型パルサーの磁気圏構造と粒子加速機構
京都大学基礎物理学研究所集中講義
タイトル: | 回転駆動型パルサーの磁気圏構造と粒子加速機構 |
講演者: | 柴田 晋平 (山形大学) |
日時: | 2020年12月01日- 2020/12月03日 |
要旨 : 中性子星は極限状態の物理(高密度、強磁場など)の研究上で重要なだけでなく、宇宙物理における様々な応用(重力波、元素合成、銀河系の力学など)においても重要な天体である。最近、中性子星に様々な種族があることが認識され中性子星の誕生の多様性も興味ある問題である。 講義では、中性子星の磁気圏の構造とそこで起こっている粒子加速と放射機構を概観し、特に、回転駆動型パルサーについて詳しく検討する。中性子星の多様性の起源の解明のための糸口を見つける努力についても述べる。最近の理論的問題にも触れる。主な項目は、
1. パルサーの観測事実、 2. 中性子星の種族、 3. 回転駆動型パルサーの磁気圏構造、 4. 磁気圏内の粒子加速機構、 5. パルサー風、 6. パルサー星雲、 7. 最近のトピック <時間割>
12/1 10:00-12:00 講義1 13:00-15:00 講義2 15:30-17:30 講義3
12/2 10:00-12:00 講義4 13:00-15:00 講義5 15:30-17:30 セミナー
12/3 10:00-12:00 講義6 13:00-15:00 講義7 15:30-17:30 議論
参考スライド
Introduction,
Observation,
Theory (global),
Theory (Polar Cap),
Seminar,
Theory(OuterGap),
Theory(PulsarWind),
Theory(PulsarWindNebulae),