星はなぜ丸い

星はなぜ丸い:実験から始めよう

星はなぜ丸いのでしょう。 これを示す簡単な実験を紹介しましょう。 準備するものは一円玉を十個くらい。 汚れのないように綺麗に洗って乾かしてください。 次に、大きなボールか鍋、あるいは洗面器に水を張ります。 静かに一円玉を水面に放つと、一円玉は沈むことなく浮かびます。 表面張力のおかげです。 次々に一円玉を浮かせてください。お互いに離れた位置に浮かべるようにしましょう。 あとはじっと様子を観察するだけです。 一円玉同士に働く引力のために、 しばらくすると、 一つまた一つと合体していきます。 図1 のようです。 次々に合体して大きな固まりに成長していきます。
図1 1円玉を水に浮かべる実験

惑星ができたときはこんなことが起きたと思われます。 最初、微惑星と呼ばれる小さな岩のようなものがたくさんできます。 それらが太陽の周りを回っているうちに互いに近づき合体します。 合体を繰り返し、やがて惑星の卵に成長するのです。 図1の3のように一円玉が横に長く伸びていても、ほおっておくと4のように丸く集まります。 互いに引力があると確かに丸くまとまる性質があることが実験的に示されたわけです。 細長い惑星の卵も合体が進むと自然に丸くなるというわけです。 この実験は本当に楽しいですからぜひお試しください。 お忙しい方のために下にビデオで紹介します。


これは微惑星に見立てた一円玉が合体して惑星を形成する実験です。 合体したあと、長く伸びた形の惑星の卵もやがて自然に丸くなります。

惑星は合体するだけでなく壊れることもあります。 一円玉の実験で、ボールの隅で指をぱちゃぱちゃさせて 小さな波をつぎつぎに起こしてみましょう。 惑星はこわれてゆきます。 さらにいろいろな実験ができると思いますので、 本で勉強したりして知ったことを実験で試すといいかもしれません。

[補遺]
一円玉の実験では、一円玉は自由に横に滑り運動できます。 このような条件を満たすのは気体あるいは液体の星です。
固体のばあいは球でないものが球になる条件をもう一つ考える必要があ あります。これについてはまた別の機会に紹介しましょう。