木星を見つけよう 夜空でいちばん今めだっているのは木星でしょう。去年も 木星が見えていました。8月だったでしょうか。今は9月 ですから、13ヶ月という周期が感じられます。というのも 木星は星座の中を西から東に移動していて、およそ12年で 黄道にそってひとめぐりするからです。なので、去年はいて座に いましたが今年はやぎ座にいます。来年はみずがめ座に 移動します。これは、木星の見える季節で言うとひと月づ つずれて行くことを意味します。木星は黄道十二宮を一年に ひとつづつ西に進むのです。また、木星の星座なのかの運動 の周期は干支(えと)とおなじ12年なので東洋では木星のこ とを「歳星」と呼んでいます。 さて、実際の空で木星を見つけましょう。日が沈んだら南の空を 見ましょう(図1)。木星は太陽系の中でいちばん大きな惑星 です。木星の直径は14万3千キロメートルで、地球の11倍も あります。望遠鏡でみると木星の表面にある縞模様や木星が 完全な球ではなくてちょっと赤道方向に膨らんだ形をしている ことが分かります。望遠鏡、あるいは、ちょっといい双眼鏡なら 木星のまわりを回っている4つの衛星を見ることも出来ます。 木星はなんと10時間ほどで一回自転します。回転のための遠心力で 赤道が膨らんでいるのです。 地球と木星の大きさは直径で11倍程違うので、体積は 1300倍あまり大きいことになります。しかし、重さは たった320倍の違いです。つまり、木星は地球に比べて 密度が小さいことになります。木星の中心の核の部分は地球の ような固体ですが、そのまわりに巨大なガスがおおっています。 ガスはふわふあしたものですので、木星は大きさの割に軽いのです。 そしてそのガスの主成分は水素とヘリウムです。 前回のこのコーナーの話を覚えていますか。宇宙のガスの主成分は 水素。さらにヘリウムが含まれているのでしたね。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/100-fig1.ppt 図1 9月下旬の午後8時頃の南の空です。 (アストロアーツ製、ステラーナビゲータを用いて作成) 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/100-fig2.jpg 図2 木星と背後にまわるガニメデ衛星 (NASA提供) 画像をクリック(拡大)