おひつじ座

秋の星座は明るい星がなくてさみしいです。それでも、
10月下旬の夜9時ころですと頭上に「秋の四辺形」とよ
ばれる四角形が目立つのでこれを目標に星座をさがす
ことができます。

南を向いて立ち、首がいたくなるほど上を向いて「秋の
四辺形」を見つけます。右の辺を南に延ばした先に「み
なみのうお座」のフォーマルハウトが、左の辺を南に延
ばした先に「くじら座」のデネブカイトスがそれぞれ明
るく輝いています。そして上辺を東に延ばしたところに
「おひつじ座」の「ハマル」が輝いています。ちょっと
暗いのでこれは挑戦です。これくらい地味な星まで見つ
けられたら星座探しにいよいよ、はまる、のではないで
しょうか。

ギリシャ神話ではこのおひつじ座は金毛の羊で、ある物
語で活躍します。

テッサリアの王アタマースはネペレーとの間に二人の子
供をもうけます。長男がプリクソス、長女がヘレーです。
二度目の妻イーノーがニ子を生むと、イーノーはネペレー
の子供をいじめます。国の女たちに麦を煎るように命じ、
そのため、その年は蒔いた麦がまったく芽がでません。
困った王が神託をこうと、イーノーは、「ネペレーの二人
の子供をいけにえに捧げよ」とお告げがでるようにし
くみます。二人の子供、プリクソスとヘレーがいよいよ
いけにえに捧げられようとするとき、金毛の羊があらわ
れて、二人の子供を背中にのせて空に舞い上がり助け出
します。途中、ヘレーは海に落ちてしまい亡くなります
が、プリクソスは無事に海を渡り、コルキスの地までの
がれました。

このときの金毛の羊が星座となったのが「おひつじ座」
ということです。また、ヘレーが落ちた海はヘレーの海、
ギリシャ語でヘレースポントス。これは現在のダーダネ
ルス海峡です。この海はエーゲ海と黒海を結ぶ海峡の一
つで、アジアとヨーロッパの堺でもあり図2の地図でみる
とおり昔から戦略上重要な海でした。



http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/103-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/103-fig1.ppt
図1秋の四辺形からいろんな星が探せます 
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図2 ヘレーの海(ギリシャ語:Ελληοττοντοζ)
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