星の標識とカシオペヤ 春をつげるのが北斗七星なら、冬の到来をつげるのはカ シオペヤでしょう。あのW形をしているというカシオペヤ 座。山の字にみたてたりもします。さて、あなたはみつ けられますか。晴れたら挑戦してみましょう。意外と難 しいですよ。 星座はどちらかというと、こじんまりした星がつくり出す 形、パターンです。星座をあまり知らないときはもっと大 きな星の並びの方がずっとわかりやすいかもしれません。 大きく空をつかんでカシオペヤ座を探す方法を紹介しまし ょう。 今週なら、午後八時半頃外に出て北を向き、星の女神を抱 き取るように両手を広げましょう。(図1)手でとどくように明る い星がそれぞれ右手と左手の先に居るでしょう。回りと比 べてずば抜けて明るい星ですし、しかも、この二つの星は ほとんど同じ明るさです。右手の星がやや黄色っぽくみえ るのが違いと言えば違いです。明るいはずで、このふたつ は一等星よりランクがひとつ上の、0等星です。午後八時半 頃ならこの二つはほぼ同じ高さに居ます。もっと時間が経 過すると右の星がより高くなります。この時間より早けれ ば逆に左の星が高くなります。右の星が「ぎょしゃ座」の カペラ、左の星が「こと座」のベガ(おりひめ星) です。(図2) この二つの星を左右対称に見るように立つと、中央が北で すので、北極星が見えているはずですし、左手のベガのや や上に、暗いめの「はくちょう座」のデネブが見えます。 そして、中央やや右よりの高いところにカシオペヤのW形 が見つかります。 W形という五つの星ですが、うち三つが明るく目立ちます が、残りの二つはかなり暗い星です。(図3) しかも、同程 度の明るさの星が回りにも2、3 ありますから、W形といわ れてもあまり納得できないかも知れません。 今回やったように、大きく星の標識をたどって星座をみつけ ていく方法も知っていると便利です。 最後に、図2よりも、もっともっとづっとたくさんの星が見 える、星空観察に恵まれた場所にお住いのかたのために追加 です。左手の方向にあったデネブ、そしてカシオペヤ、右手 のカペラをつないだ線の上に、天の川が流れているはずです。 見えるでしょうか。これが見えたかたは自慢の星空をお持ち のかたです。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/105-fig123.ppt 図1北を向いて両手を広げよう http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/105-fig1.jpg 画像をクリック(拡大) 図2 午後8時半頃の北の空(スレラナビゲータを用いて作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/105-fig2.jpg 画像をクリック(拡大) 図3 カシオペヤ座(スレラナビゲータを用いて作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/105-fig3.jpg 画像をクリック(拡大)