一年の4分の3 地球は太陽のまわりを一年かけてひとめぐりしますが、まもなく 図1のように四分の3回り終えます。角度で言うと起点から27 0度、時計の針だと3時の位置です。もうすぐ一年の終わりが見 えて来た感じです。師走の雰囲気と重なりますね。 でも、図1の起点は春分の日です。そこから測って四分の三の 位置が冬至で、今年は12月22日です。その十五度手前が大雪の はじまりで今年は12月7日です。そろそろ一回目のドカ雪が降っ ても不思議でないということになります。さらに、十五度さか のぼると小雪で、11月22日でした。時計の針で言うと大雪が4時、 小雪が5時の位置です。図1のAの位置は何か分かりますか。答え はこの文章に末尾に書きます。 地球の軌道は完全な円ではなくて楕円形です(図2)。太陽から 近い位置(近日点と呼びます)と遠い位置(遠日点)があって、 それぞれ平均より1.7%だけ太陽に近かったり遠かったりします。 距離にすると1.7%は255万キロメートルになります。このもっと も太陽に近い時というのは冬至から少し進んだところ、一月上旬 になります。図2をごらんください。 太陽にもっとも近づいた時なのに、それが寒い冬とはどういうこ とでしょうか。ちょっと不思議に思えるかもしれません。しかし、 日本では冬のころ南半球は夏ですね。これで直観されることは太 陽とのわずかな距離の違いで季節が生じているのでは無いという ことでしょう。わずかばかり太陽に近いという理由で夏になった りしないと言うことです。季節は太陽の光の降り注ぐ角度の違い から生じます(53回の星空案内)。図2では楕円であることを強調 して描いていますが、 1.7%の違いは図の上ではほとんど円とは 変わりないものです。図2はちょっとウソの絵ということになりま すね。 さて、図1のAは秋分ですが、正解でしたでしょうか。 図1春分、小雪、大雪、冬至の位置関係 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/108-fig1.jpg 画像をクリック(拡大) 図2 地球が太陽に近い時と遠いときの位置 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/108-fig2.jpg 画像をクリック(拡大) 図1、と図2のパワーポイントファイル http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/108-fig12.ppt