月食を見よう

8月28日(火)はひさびさの皆既月食がみられます。普通
の生活をしていて皆既月食をみられるのは 2000年7月
16日いらい7年ぶりです。

月食の日は、太陽が沈むとともに月が東の地平線から
満月が昇って来ます。その満月が欠けます。今回は、
東の空にすでに欠けた赤黒い月が昇って来て、知らな
ければ、びっくりしてしまうところです。午後8時23分
ころから回復がはじまり午後9時24分頃には完全に満月
にもどります。(図1を参照ください。)

さて、なぜこのような現象が起きるかを図2を用いて説
明しましょう。宇宙空間に浮かんでいる地球ですが、そ
の回りを約29日半の周期で月がめぐっています。一方、
はるか遠くから太陽の光がやってきて、地球の影が出来
ています。月がまわって、太陽と反対側に位置するとき、
満月になりますが、この満月がたまたま地球の影に入る
と満月が暗くなってしまう月食になります。

図2を見ると、毎月一回、満月のときはかならず月食に
なりそうですが、実際には、滅多に地球の影に月が入り
ません。図2と実際は違っていて、月と地球の距離は地
球の直径の30倍もあって非常に離れていて、地球の影
は鉛筆の芯ほど細く見えてしまうのです。なので、平均
すると2年に一回くらいしか満月は地球の影に入りませ
ん。月食が起こっても日本時間の昼間に起こったのでは
見えませんから結局たいへん珍しい現象になってしまい
ます。今回を逃すと、2011年12月10日までおあずけです。

月食の月は赤銅色からオレンジ色をしています。皆既食
でも完全にまっくらにはなりません。地球の大気を通っ
た夕焼けの光が屈折して地球の影に侵入して、月を照ら
すからです。火山噴火などの理由で大気中にたくさんの
微粒子があると月食の色は深く暗い色に見えます。

図1(3つの図を組み立ててください。)
(a)17時51分から18時52分:月が徐々に欠けてゆく
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/11-fig1.gif

(b)18時52分から20時23分:月がすっぽりと地球の影に入っている(皆既)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/11-fig2.gif

(c)20時23分から21時24分:徐々に満月へもどる
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/11-fig3.gif


図2 地球の影に月が入るのが月食です
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/11-fig4.gif