はと座

「はと座」はオリオン座の南側にあって、見つけにくいですがかわいい星座です。
オリオン座やとなりの「うさぎ座」がメソポタミアの流れをくむ古い星座なのに
対して、はと座は17世紀に作られた新しい星座です。しかし、いつのまにか
旧約聖書の「大洪水とノアの箱船」の話に出てくるハトのことだと言うことに
なってしまい、星座絵ではオリーブの枝をくわえています。(図1)

ノアの箱船の話は、ひどくけがれた心をもつことになってしまった人類を
滅ぼしてしまおうと神が考えるにいたったことから始まります。しかし、
ノアだけは正しい心を持った者と神は考え、ノアにこう言いました。
「わたしは、人を地とともに滅ぼす。あなたと家族とは、大きな箱船を作り、
それに乗ってにげなさい。」そして、神は大雨をふらせ大洪水をおこしたのです。
大きな三階建ての箱船にはノアの家族以外に、ひとつがいずつ獣や家畜や鳥が
同乗しました。

四十日間の洪水が終わると、ノアは大地から水がひいたかどうか確かめる
ために、箱船の窓を開いてカラスを放ちましたが、カラスは飛び回るだけでした。
それで、つぎにハトを放ちました。しかし、ハトはとまるところを探しあぐねて
箱船にもどって来ました。それから、七日後、ふたたびハトを放つと、
ハトはオリーブの若葉をくわえてもどって来ました。
こうして、ノアは大地から水がひいてきたことを知ったということです。

さて、その「はと座」ですが、オリオン座が高く昇ったいまごろがみごろで
す。図2のような位置にあるので探してみましょう。地平線(水平)から
腕を思いっきり伸ばして、手のひらくらいの高さです。
オリーブとハトは平和の象徴。うまく見つけられたら家族に平和が約束された
ということかも。


図1 はと(柴田いくよ画)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/117-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/117-fig1.jpg
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図2 はと座(2月22日午後7時頃の南の空)
(アストロアーツ/ステラーナビゲータを用いて作製)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/117-fig2.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/117-fig2.jpg
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