水星を見よう 夕方、西の空に宵の明星(金星)が見えています。昨年のいまごろ、西の 空に見えていたこの金星は、しばらく姿を消していました。明けの明星と して夜明けのころ東の空に見えていたのです。早起きの方はごぞんじと 思います。最近はまた、西の空に見えるようになって来ました。非常に明 るいので絶対に見逃しませんので夕方、西の空を御覧ください。 金星より内側で太陽のまわりを回る水星は、太陽に近いためみつけにくい 惑星です。それで、なかなか私達の目に入ることはありません。金星や木星を 見たことがあるひとは多いと思いますが、水星をみたことのある人はまれ です。天文マニアでも見たことのある人はそう多くありません。ところが その珍しい水星を、いまなら、すごく簡単に見つけることができます。 4月12日頃なら、夕方6時半から7時頃、西の空を見ると図1のようになって います。金星を見つけたら、そのすぐ右下に明るい星を見つけることがで きるはずです。これがなんとその珍しい水星なのです。 水星はみかけの動きがすごく早くて、16日には図2のように金星から離れ、 一週間もすれば見失ってしまうでしょう。動きが早いことで伝令のような イメージがあります。ギリシャでは神々の使者ヘルメースと見なされてい ました。 これも挑戦なのですが、16日なら金星のすぐ右に月齢2の月があります。 旧暦で月初めにみえる月は朏(ひ)とかいて「みかづき」といいますが、 ふつかづきにあたる月齢2の月はみることが困難です。私も見たことが ありません。でも、16日は金星が目印になるので、もしかしたら見えるかも しれません。成功したら教えてくださいね。 図1 2010年4月12日午後7時ころの西の空 (アストロアーツ製/ステラーナビゲータを使用) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/123-fig1.jpg 画像をクリック(拡大) 図2 2010年4月16日午後7時ころの西の空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/123-fig2.jpg 画像をクリック(拡大) パワーポイント原図 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/123-fig1.pptx