7月7日は七夕です。牽牛と織女は結婚してからというもの楽しくて楽しくて、 おしゃべりに時間を費し、働くなりました。怒った天帝は、ふたりを天の川の 両岸に引き裂きました。でも、それではかわいそうと、一年に一度だけ、七夕 の日に会えることとしたのでした。 織姫星の「こと座のベガ」も彦星の「わし座のアルタイル」も夜の8時半ころ 図1のように東のそらに昇って来ます。図のように夏の大三角として見えます。 一番低い彦星はこの時間ですと地平線から30度くらいの高さにあります。腕を しっかり伸ばして、げんこつを三つくらい重ねた高さです。実際の空で見つけて みてください。その左手、つまり、北側に、はくちょう座のデネブがあり、 高い位置に、織姫星が輝いています。三つの星のなかでは織姫星が一番明るく 輝いています。 わたしたちは、一年に一度しか会えないのはかわいそうね、と思ったりするの ですが、ちょっと考えてみるとそうでもさなそうです。織姫星も彦星もA型星で、 質量は太陽の3倍、表面温度は一万度くらいの星です。その寿命は1億年くらい あります。一年に一度ふたりは会うので、一生のうちに1億回も会えるのです。 人間にたとえると、夫婦でいる日数はたとえば60年として2万日くらいあります。 1億回と言うと、2万で割って、一日に5千回も会っている勘定になります。 実は寿命の長い星にとって一年に一回と言うのは非常に頻繁なのですね。一日に 5千回もラブラブになってたらちょっといやになるかもしれませんね。 織姫星と彦星の間の距離ですが実際は約15光年あります(図2)。光で行っても15年かかる 距離です。なので、一年に一回会うのは無理で実際はおそらく百年に一回会うのが 好いところかも知れません。それでも百万回会えるのでまだ多い感じがします。 宇宙の時間のながれは像のようで、わたしたちの時間のながれはねずみのようです。 |
画像をクリック(拡大)
図1 2010年7月5日20時半ころの東の空 (アストロアーツ製ステラーナビゲータを利用) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/134-fig1.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/134-fig1.jpg 画像をクリック(拡大) 図2 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/134-fig2.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/134-fig2.jpg |