星雲と銀河


秋の星座といえば、秋の四辺形をふくむペガスス座やアンドロメダ座が頭に浮かびます。 アンドロメダ座には肉眼でも見える「アンドロメダ銀河」があります(図1)。昔の本を 見ると「アンドロメダ大星雲」と書いてあるかも知れません。すこし勉強して星の ソムリエになるくらい勉強すると星雲と銀河の区別を知り、アンドロメダ銀河が正しい とわかります。

銀河と星雲はどう違うのでしょう。

星は光る点としてみえます。しかし、星空の中で淡い光を放つ雲のようなものがある ことがわかって来ました。それを星雲と呼んでいました。たくさんの星雲が 見つかりましたが、とくに大きな星雲がアンドロメダ座にあり、それをアンドロメダ 大星雲と呼びました。

星雲は、気体(ガス)がなんらかのメカニズムで光っているものと考えれます。 まさに「星雲」と呼ばれる名のとおりのものです。図2は星雲の例で、ひとつの星が 膨れあがって、ガスの雲になったものです。宇宙のサイズからみるとちっぽけなガス のかたまりです。しかし、星雲と思っていたものが望遠鏡で見ると、おびただしい数 の星の集まりである場合がみつかりました。これは単なる小さな気体のかたまりなん かではありません。こちらが現在「銀河」と呼ばれているものです。

天の川がよい例です。ミルクを流した川のようにみえる天の川ですが、望遠鏡を 使ってみるとそれはたくさんの暗い星のあつまりです。同様に、銀河はたくさんの 星や星雲を含む巨大な集団で、とても豊饒な天体です(図3)。ただ、遠くにあるので、 みかけ上は小さくて、当初ちっぽけなガスのかたまりである星雲と区別できなかった のです。

私の心のなかに雲のようにもやもやしたものがあるのですが、これは探求すると最後に は、実はたくさんの星の集まりで、素晴らしい光を放つものなのだと知るのかも しれません。そう思うといくばくかの悩みも希望へとかわるのでした。

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図1 2010年9月6日午後8時ころの東の空
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図2 みずがめ座にある「らせん星雲」とよばれる星雲
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図3 M83とよばれる銀河の詳細な写真(たくさんの星と星雲が混在している)。 (NASA提供)
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