お月見


だいぶ、秋らしくなり暦どおり中秋の名月にふさわしく涼しい夜の時間が 一年ぶりにもどってきました。今年の中秋の名月(旧暦の8月15日)は9月22日 です。おだんごや里芋などお供えしどうぞお月見をお楽しみください。

このコーナ142で予告したように木星と並んだ満月が東の空から昇って来ます。 おだんごは木星のために余分に作ってあげたくなります(図1)。しかも、秋の 四辺形ときれいに並んでいますので秋の四辺形をみたことない方はこの際に見つけて みましょう。ここで、本当の満月は翌23日といったらおどろきますでしょうか。 旧暦の15日が満月にならないことは実はよくあることです。平均すると15日より 後に満月がくることが多いです。

月が地球をめぐる軌道が完全な円でなく少し歪んでいて、そのため、 新月から満月までの時間が一定でないこともひとつの原因ですが、そもそも 旧暦のひにちの決め方にも原因があります。

図2を御覧ください。旧暦一日は新月を含む日です。新月とは月がちょうど太陽と 反対に位置する瞬間です。専門用語では朔(さく)と呼びます。新月が旧暦一日の 早朝に来ることも(場合A)、深夜に来ること(場合B)もあります。

新月から数えて平均的に14.75日後に満月の瞬間が来ます。満月は月が太陽と ちょうど反対側に来たときです。それがどの時刻かを図2にしめしました。 これをみると満月は旧暦15日の後半から16日後半に来ることがわかります。 さらに、周期が楕円軌道のためにふらつくので、実際は満月が旧暦14日に なったりもするし、旧暦17日になったりすることもあります。 注意深く観察すると「15日より16日の方がまるいね」などと思うことがある と思います。

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図1 2010年9月22日午後7時ころの東の空 (スレラナビゲータを用いて作成)
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図2
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