秋の空を見よう


先日、東京出張のついでに品川区にある五反田文化センターにリニューアル したプラネタリウムを見に行きました。ここを拠点とする品川星の会の みなさんの案内で屋上での観望会にも参加しました。屋上にあがって見る東京の 空なのですが、カシオペア座のW形がしっかり見えていて、東京の空でも充分 星座が楽しめるんだ、と変に感心してしまいました。まして、私の住む山形の 空ならもう何倍も楽しめるわけです。さあ、秋の夜空を楽しんでみましょう。

さて、その東京でも見えたカシオペア座ですが、日本では「やまがたぼし」ともよばれ、 ちょうどWを上下逆にすると山形になるところからこの名前がきています。 県章ともに似ていますが、こちらは三ツ山で、カシオペア座は二つ山です。 今日このごろでしたら、北からやや東の空を見ていただくと図1のように見つけ られます。

また、宮崎県で「イカリボシ」と呼んでいたという記録を読んだことがあります。 ちょうど図1のようにみると船を固定するときに使うイカリに似ていますね。 イカリにロープをつなぐ部分はケフェウス座になります。この星を頂点として、 か将棋の駒の形をしたケフェウス座の姿が見つけられると思います。

つぎに、双眼鏡があったらカシオペア座のあたりを見てみましょう。 特に、天体観測用というのでなく、オペラグラスやバードウォッチングなど 地上の観察用で結構です。このあたりは天の川が流れています。夏に見えていた 天の川ははくちょう座を通って北に向かって流れ、カシオペア座の辺りを 通っています。なので、双眼鏡で見るとすごくたくさんの星が見えてとても きれいです。ぜひ、秋の天の川をお楽しみください。

最後に、双眼鏡をせっかく持ち出したのであれば、真紅に輝く「ガーネットスター」 を見つけてください。そのすごい赤色に感動すると思います。ガーネットとは 柘榴石(ざくろいし)のことで、赤く輝く宝石の柘榴石に似ていることから この名前がつけられています。 およそ4等星ですので肉眼で赤い色を確かめるのは困難です。双眼鏡を使うか、 それがだめなら、近くの公開天文台などでリクエストしてみてください。

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図1 2010年10月25日 午後8時ころの北の空
(アストロアーツ製ステラーナビゲータを用いて作成)
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図1 2010年10月25日 午後8時ころの北の空
(撮影:熊谷幸三氏)
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