今日はミラクルな星の話です。ミラクルですから奇跡の星ということになり ます。くじら座の「ミラ」という名前はミラクルと同じ語源で不思議な星 です。神さまが住むと思われていた天界も不変ではなく異変が生じることも あります。それが変光星のミラです。 明るくなったり暗くなったりと明るさが変わる星を「変光星」とよびます。 そんな星に気がつくことはまず無いでしょう。しかし、今がチャンスです。 望遠鏡が無くてもそんなミラクルな星を見つけるチャンスがやってきました。 ミラは明るくなると2等星位の非常に目立つ星ですが、暗くなると10等星に なり小さな望遠鏡を使っても見つけることが難しくなる程くらくなります。 そのミラが今月、もっとも明るくなります。そして、年末から年始にかけて 見えなくなるほどまでに暗くなってしまうと予想されます。なので今、明るい ミラを見つけて、それを年末まで追いかければ星が暗くなりやがて見えなく なるまで追跡することが可能です。 では、さっそく見つけ方です。図1を見てください。夜の8時頃の夜空です。 まず、南の高い位置にギラギラ明るい木星が目に入ります。次に地平線から 30度位の高さに二つの星が見つかります。南に見えるのが、みなみのうお座の フォーマルハウトです。やや東に見えるのが、くじら座のデネブカイトスです。 これらみっつはさながら秋の大三角ですね。 デネブカイトスから水平に東に伸ばしたところに 明るい星がみえると思います。これがミラです。さらに、東に目を移すと、 くじら座のメンカルがあります(ちょっと暗いですが)。さらに、東に目を移すと やや高い位置にごちゃごちゃした星の集まった場所があります。これが「すばる」 です。さあ、この地図を見ながら探してみてください。ミラがだんだん暗くなって いったらまちがいなく探せていたということになります。 最後に、確認のためのヒントを差し上げます。木星とフォーマルハウト、 フォーマルハウトとデネブカイトス、デネブカイトスとミラ、これらの 間の距離はみな同じで、腕を伸ばしたときのゲンコツ三つぶんくらい。 約27度の隔たりがあります。 |
画像をクリック(拡大) 図1 ミラの見つけ方 (アストロアーツ製、ステラナビゲータを用いて作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/149-fig1.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/149-fig1.jpg 上端をカットしてください。 |