変な星探し(マグネター)


ほとんど寝られない日が続いています。睡眠不足です。 宇宙空間を人工衛星として飛んでいる 「すざく」という名のX線宇宙望遠鏡があるのですが、 眠れない原因は、 それを使った観測提案の〆切があさってに迫っていることです。

そのとばっちりを食らってこのページもその観測計画に関する ちょっと変な星の話です。

星が光るときのエネルギー源はいろいろあります。今日の話題の 二種類の星はちょっと変わったエネルギーで光っています。 まず、一種類目の星はちょうど自転車に ついている電気の発電器と同じような星です。 星が強い磁石になっていてそれが自転するので発電をします。その電力で 光る星です。専門家は回転駆動型パルサーと呼んでいます。 磁場の強さは、健康に良いとか言って売っている強力磁石の100億倍くらいです。 こんな磁石があれば免疫力が上がってスーパーマンになれそうです。

もうひとつの種類の星は、さらにその千倍も強い磁石で、磁場のエネルギーで 磁石が自ら光り出すという奇妙な星です。専門家はマグネターと呼んでいます。

星の磁場のイメージは図1の太陽のようです。 地球もそうですが星全体がひとつの 磁石になったような大きなスケールの磁場を考えます。 南極と北極にS極とN極があり、双極磁場と呼びます。 太陽にもそんな磁場があります。 回転駆動型パルサーも地球と同じこの双極磁場です。 一方、 マグネターの磁場はちょうど太陽の黒点のように 小さくて強力な磁石をたくさん散りばめたようです。 図1の太陽で、X線で輝く点は小さな強力磁石です。

図2を御覧ください。上段が地球と同じ様に大きな一本の磁石になっている 回転駆動型パルサーの仲間をあらわしています。 いろんな強さの磁場があります。 一方、下の段は小さな磁石を一杯含んだマグネターの仲間です。

さて、睡眠不足になっているのは、上段の回転駆動型パルサーにも 実はマグネターのような小さな強力磁石があるんでないか、と考えて しまったことによります。なので「すざく」というX線望遠鏡を使って それを証明してやろうという観測提案をいま書いているところです。 変な考えですので、審査員は認めてくれず、実際には観測させてもらえない かもしれませんが、面白いと思ったらみなさんも応援してくださいね。

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図1 太陽のX線写真(国立天文台/JAXA 提供)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/151-fig1.jpg

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図2 
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/151-fig2.jpg

全体のパワーポイント
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/151-fig.ppt