秋の星座 2

いけにえとして岩に縛りつけられたアンドロメダ姫を見つけた
ペルセウスがどういう行動に出たか?
先週のつづきです。

「ペルセウスはアンドロメダを見て恋し、もし救われた
姫を妻にくれるつもりがあれば怪物を退治しよう、
と父親のケフェウスに申し出ます。
この条件で誓いが交わされたので、彼は怪物を待ち伏せて
殺し、アンドロメダを開放しました。」

契約の下にペルセウスがアンドロメダを救ったと言うのは
ちょっと意外に思われるかたもいるのでないでしょうか。
「アンドロメダを哀れんだペルセウスが姫を助け、そのあと
二人は恋に落ち、めでたく結婚しました。」という流れの方が日本人的には
いい感じですが、アポロドーロスの原典はここに紹介したような
ストーリーになっています。
さらに、話はどろどろしていて、実はアンドロメダ姫には
婚約者がいて事が複雑です。結局は、この婚約者と
ペルセウスの戦いが起こり、ペルセウスは勝利します。
きれいではないですが、アポロドーロスのお話の方が現実的なのかも
しれません。

さて、ペルセウスの怪物退治の方法がおもしろいです。
それはメドゥサの首です。
メドゥサは竜の鱗、猪の牙、青銅の手を持ち、黄金の翼で飛行し、
髪の毛はみんな蛇、見るものを石にしてしまう怪物です。ペルセウスはこのメドゥサを
退治しその首を袋に入れてもっています。そして、メドゥサの首を見せつけて
敵をみな石にしてしまうのです。
アンドロメダ姫に襲いかかり、石にされてしまった怪物は
化けクジラでした。これはちゃんと秋の星座として天に昇っています。
明るい星が少なくて見にくい星座ですが図をみながら探してみて下さい。



図1 現代版アンドロメダの受難。海岸にいけにえに捧げられたアンドロメダ姫は
彼に携帯で助けを呼んでいます。(本文のギリシア神話とは関係ありません、
柴田の創作です!このあとはみなさんで好きなストーリー展開を楽しんでください。)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/17-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/17-fig1.gif


図2 秋の南の空には、和名を「秋のひとつぼし」というフォーマルハウトが一等星
として輝いています。その東にくじら座の尻尾であるデネブカイトスが比較的明るく
見えます。どちらも、矢印のように図上に輝く秋の四辺形からたどることができます。
[ステラナビゲータ(AstroArts Inc)を用いて作成]
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/17-fig2.ppt
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