星座の座とは


星空案内の最中にこんな質問がありました。 星座ってなんで 「座」がつくんですか。

春の星座は、おとめ座としし座、と言う風に星座の名前には座をつける 習慣があります。どうしてでしょう。私には分かりませんが、座はすわる場所 といういみですので、 「おとめ」がいる場所がおとめ座で「さそり」がいる場所が さそり座ということになります。 図1左は、さそり座を示していますが、星と星を結ぶ線(星座線と呼びます)を 引いてさそりの形をつくり出します。今の季節ですと、夜の九時ころだと 南東の空に昇ってくるので見つけて見ましょう。さそりの心臓にあたる赤い 一等星が目印です。

「さそり座の星たち」というと星座線で結ばれた20個ほどの星々を 意味すると思われがちですがそうではありません。 星座の定義には星座線の引き方は実は含まれていません。 星座は空の領域として定義されています。図1右を御覧下さい。 ちょうど国境のように境界線を引き、この範囲がさそり座だと定められています。 この範囲に含まれる全ての星がさそり座の星となります。

円天井のような空全体が八十八の領域に区切られています。 そうして八十八の各領域に名前がつけられています。 八十八の星座が定められているわけです。 ですから、どの星も八十八の領域のどこかに居て、 どれかの星座に属することになります。

座という言葉の意味は、すわる場所、居る場所ですから、 たとえば、さそり座はさそりの居るところと言う意味で「さそり座」と 呼んでいるとすればなかなか好い言葉が選ばれたことになると思います。

座の話しついでに、星座の数が八十八あることを絶対に忘れない方法を お教えしましょう。 図2のように座という文字の中にちゃんと答えの八十八という文字が隠されて いますね。星座を楽しみながら「座」という言葉でもお楽しみください。 例えば、きれいな微笑みといえばモナリ座、あんまり起こってほしくない 「いざこ座」、僕の大好きなたべものは「ぎょう座」など。



図1(星座の決め方)
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(アストロアーツ製ステラーナビゲータを用いて作図)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/172-fig1.jpg


図2 星座の数はいくつ?
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http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/172-fig2.jpg
(こちらの図は小さい扱いで結構です。)

総合パワーポイントファイル
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/172-fig.ppt