ーーーー5ーーーー5ーーーー5ーーーー5ーーーー5ーーーー5<30文字 新しい日本のX線宇宙望遠鏡の準備がちゃくちゃくと進んでいるので 紹介しましょう。打ち上げは2014年に予定されています。基本設計が 終わり、現在は製作段階です。 仮の名をAstro-hといいます。 宇宙にはブラックホールとか暗黒物質とか直接見ることが難しいものが一杯 あります。ブラックホールは光をも吸い込んでしまいますので光ることは ありません。暗黒物質は宇宙の全物質の83%程を占めているにも関わらず、 光と反応しないので見ることはできません。 しかし、ブラックホールも暗黒物質も強い万有引力(重力)でガスを引きつけ その力でガスを一億度にも加熱します。こんなに高いガスはX線を放射しますので X線で宇宙をみることでブラックホールや暗黒物質の存在を察知することが できます。 だから、私達はX線望遠鏡を作ります。X線で光る星や星雲を見つけるためです。 X線は大気で吸収されるので、X線望遠鏡は人口衛星として軌道上に打ち上げ られます。X線は透過力が強く、光のようにレンズで屈折したり鏡で反射したり しません。なので普通の方法で光を集めて望遠鏡とすることはできません。 では、どのようにしてX線望遠鏡を作るのでしょうか。レンズ無しでどうするので しょう。 X線は、非常に浅い角度で金属に入射すると全反射するという性質があります。 この性質を利用して、ちょっと先のすぼまった金属の筒状のものを多数準備して 図1の様に配置すると、みごとに凸レンズのような働きをさせることができます。 打ち上げ予定の望遠鏡では、焦点距離は 5.6メートルと12メートルの二種類あり ます。望遠鏡全体の様子は図2の様です。左上がX線が入射する入口で、 太い本体の底(右下)に分析機器が入っています。右下の飛び出した部分にも 分析機器があり、こちらは焦点距離の長い望遠鏡のためのものです。 さて、この望遠鏡で何を見てどう分析しようかと全世界の天文学者がいま盛んに研究して いるところです。 |
図1 X線望遠鏡の原理 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/191-fig1.jpg 図2 計画中の日本のX線望遠鏡(Astro-H)(提供:JAXA) 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/191-fig2.jpg 図のppt版 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/191-fig1.ppt |