パチッとはじける(放射性物質の話)


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「パチッとはじける」という言葉から何を連想しますか。若さがはじける 若者のイメージでしょうか。秋になると植物の種がパチッとはじけるという のもありますね。

ある日、中学校の理科の先生とお話していて、こんど放射線の授業を するのだそうで、目に見えない放射線の出る様子を「霧箱(きりばこ)」 という装置で目に見えるようして見せるのだとおっしゃっていました。 放射線がピュッと飛ぶ様子を子どもたちが見れるのですからすごいな と思いました。ただ、そこで起こっていることの具体的なイメージを 作るのはなかなかたいへんともおっしゃっていました。

そこで、わたしの脳裏を横切ったのが「パチッとはじける」イメージです。 それがまさに放射性物質で起こっていることだと思うからです。

図1は、庭に生えている「カタバミ」の種が飛ぶ様子を示したものです。 種はまとっていた殻が破れると、殻を下に飛ばし、種は2-3メートルも 飛びます。まさに、パチッとはじけて種が飛び出すのです。 はじけて種が飛び出す植物はほかにもいっぱいあります。

原子核は、プラスの電気を持った陽子という粒をたくさん含んでいます。 プラスとプラスは互いに反発します。そして、非常に小さな空間にぎゅっと プラスの電気をもったものが詰め込まれているのですごい反発力が働きます。 (図2)

なので、ちょっと刺激が加わると「パチッと」はじけて分裂するのです。 そのエネルギーはものすごいものです。はじける直前の種をたくさん 手のひらに置いて見ていると、パチパチ、パチパチ、つぎつぎに種を飛ばして いるというのが放射性物質のイメージと言えるでしょう。

はじける前の原子はたくさんのエネルギーを蓄えていることになります。 もともと反発するはずの陽子たちをいったいどこで無理矢理くっつけたのでしょう。 それは、星の中心部が重力でぐちゃっとつぶれて、その反動で大爆発を 起こしたときです。これは超新星爆発とよばれます(図3)が、このとき、ウランなどの 重い元素が作られ、それが地球が出来るときに混ざりこんできたのです。

図1 カタバミの種子の飛ぶ様子
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図1、2のパワーポイント
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図2 原子核の分裂の様子
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図3 超新星の爆発(カシオペアA)(提供 NASA)
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