木星が追いかけるビーナス様


雪空が去って晴れ間が多くなりました。晴れた夜は小さな星たちには目もくれず、 うす曇ならつき通して見えるくらい明るい星が二つあるのを見つけましょう。 どちらかと言うと西よりです。

低い位置にある方が金星、高い位置にあるのが木星です。 いずれもとても明るくて、一等星よりも、金星は120倍、木星は20倍も強い光を放っています。

最近、このふたつの星をみているとなんだか心が落ち着きません。 金星は英語ではビーナスで、ギリシャ神話でアフロディーテーとよばれ、美と愛の女神です。 一方、木星はギリシャ神話では神の王様ゼウスです。もちろん、男性神です。 神話の中では、ゼウスは何人もの女性と枕をともにしたことになっているいわく付きの神さまです。 そして今、その木星がどんどん移動してビーナス様の金星に接近しているのです。 毎回、見る度ごとに二人の間の距離が小さくなって行くのが見えますから 是非注意深く見守ってください。

毎日、午後七時ころ空を見ていたとして、昨年の9月ごろ東の空に顔を出した木星ですが、 図1のようにどんどん東から西に移動していきました。そして、1月ころ西の空に 金星が現れ、どんどん高度を増してゆきました。 このままいくと、3月14日に木星と金星の距離は約3度まで近付きます。 もうひとつ、見て楽しいのは2月26日と27日です。木星と金星のそばを月が通り過ぎます。 月の女神も木星と金星の関係が気になるように通り過ぎて行きます。

古代の人の気分になって、夜空をみていると、 こんな風に木星と金星の動きも「二人の行方は」などと遊び心で楽しめます。 他の星座の星々とは違って、不思議な動きをする特別な星たちは古代の人々の好奇心をそそりました。 そんな古代の人々にとっての七惑星は、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星でした。 星占いに重要な役割を果たすのも分かりますし、曜日の名前もこれら七つの天体ですね。




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図1 木星と金星の動き
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図のパワーポイント

図2 3月14日の木星と金星の大接近 (アストロアーツ製ステラーナビゲータを用いて作図)
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