火星が接近 西の空では木星と金星が輝いていて賑やかですが、東の空も見逃せません。 東の空には雄大な「しし座」が昇ってきています。春の星座の王様です。 現代人は生意気ですからこんな風に考えます。 意味なく適当に並んだ星々を勝手に繋いで ライオンの姿に見立てて「しし座」を作ったんだ、と。しかし、古代の人々は そう考えたのでしょうか。星の並びがもしライオンの姿に見えたなら、 それはきっと神さまがなにか私達になにか語りかけたくて、それで、 ライオンに見えるように星を配置したのだ、と考えたと思います。 ライオンが元気良く東の空に昇ってきましたが、いつもと違って 赤い星がライオンのそばに寄り添っています。火星です。ちょうど今月は 火星が地球に近づく月で、日が沈むと火星が東の空から昇ってきます。 ギリシアでは火星は戦いの神さまとされていますから、 元気の良いライオンの星座に火星が来たので戦いの神さまはますます元気 一杯になるのでしょうか。 前回、火星が地球に近づいたのは約2年前でした。 その時は、火星はおとなりの「かに座」にいたのを思い出します。 ちょうど「わたしはどこからやってきた」という番組を 制作していたころです。あのときはたいへん苦労しました。でも、 楽しかった。 こんな風に、惑星がいる星座をみることでいろいろな 想い出が作れるのは、夜空に親しんだ人の特権でしょうか。 火星が地球に接近する周期はだいたい2.14年おきで、 そのとき火星が見える星座は黄道十二星座をひとつかふたつづつ東に移動 していきます。 図2を良く見て考えると、 このことは太陽のまわりを回る周期が、地球は1年、火星は、1.88年であることから 算出できます。 前回の火星の接近のとき火星はかに座にいました。今年は、しし座です。 こんど火星が地球に接近するときは、火星はおとめ座にいます。 戦いの神とおとめの組合せです。 その頃、いったい何が起こっているでしょう。 みささんに、幸運が訪れますように、と思ってしまいました。 |
| もくじ に戻る| 図1 東の空のしし座の位置に火星が見えます。 (Stellariumを用いて作図) 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/203-fig1.jpg 図2 現在の地球と火星の位置を示しています。 今年の4月ころには矢印の先のあたりまでそれ ぞれ移動しますので、地球と火星の距離は広が ります。そして、2年後の2014年3月には 地球は太陽の回りを2回まわって現在の位置に もどって来ています。火星は公転周期が2年よ り少し短い 1.88年なので一周と少し回ってい るでしょう。そして、2014年の4月ころに なるとふたたび火星と地球が接近します。 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/203-fig2.jpg 図のパワーポイント http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/203-fig.ppt |