シュメール語が鍵


西暦7000年位になって未来人がこの新聞を遺跡から見つけて 解読したらどんなことを考えるでしょう。新聞の文字は、 ひらかな、漢字、カタカナやアルファベット文字を含んで いるので、日本人は中国や西欧の文化の影響を受けているな と分析するに違いありません。

同じようなことが、古代バビロニア王国(現在のイラクあたり、 メソポタミア地方と呼ばれる地域)の「創世記物語 (エヌマ・エリッシュ)」という文献にも言えそうです。文献と いっても、粘土版に楔形文字で書かれたもので、紙の上に 印刷されたものではありません。この文献には現在私たちが 使っているのと同じ星座がいくつか登場します。古代バビロニア の文献が星座の発祥を知る最古のものです。紀元前1800年という はるか昔のことです。でも私たちが使っている星座の 発祥はこのころ(古代バビロニア)よりさらに古いと考えられています。

当時、この地方ではアッカド語がつかわれており、この物語もだ いたいアッカド語で書かれています。ところが星座名の部分だけ はシュメール語で書かれているそうです。日本語で書かれた 新聞のなかにカタカナやアルファベットで英語の単語が登場する ようなものです。すると、星座の起源は古代バビロニアでなく シュメール語を使うシュメール人でないかということになります。

古代バビロニア王国以前のメソポタミアはアカッド人が支配しており、 さらにそれ以前に、シュメール人が支配していました。紀元前3000年 という昔のことです。シュメール人は麦を栽培する農耕民族で 都市国家を形成していました。60進法を用いて数学も発達していたそうです。 それを示す文献(粘土板)もたくさん見つかっています。 シューメール人の神話も残っています。 きっとこのころ、あるはさらに昔から星座を作って使っていたのでしょう。 不思議なのですが、シュメール人が残した文献には星座は現れません。

その後、ギリシャに伝わった星座はファイノメナという詩の中で別表のように 整理されているそうです。おなじみの星座がいっぱいありますね。 人間は何千年も同じように星空を眺めながら生活してきたのでしょう。
表 ファイノメナ(ギリシャ)にまとめられた44の星座
(申し訳ありません適宜表として組んでいただけませんでしょうか。)

アンドロメダ
アルゴ
いて
いるか
うお
うさぎ
うしかい
うみへび
エリダヌス
おうし

おおいぬ
おおぐま
おとめ
おひつじ
オリオン
カシオペア
かに
からす
かんむり
ぎょしゃ

くじら
ケフェウス
ケンタウルス
こいぬ
こぐま
コップ
こと
さいだん
さそり
さんかく

しし
てんびん
はくちょう
ふたご
ペガスス
へびつかい
ヘルクレス
ペルセウス
みずがめ
みなみのうお

や
やぎ
りゅう
わし
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その後、プトレマイオスが「アルマゲスト」の中で
まとめた48星座には以下の4つが加えられています。

こうま
へび
おおかみ
みなみのかんむり

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現在では大きすぎる「アルゴ座」は以下の4つに
分割されています。

とも
ほ
らしんばん
りゅうこつ
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図 紀元前3000年3月下旬午後9時(現地時間)ころ古代バビロニア王国の空
(アストロアーツ製ステラナビゲータを用いて作図)
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図のパワーポイント
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