SNR1987A 誕生 図1は何でしょう。アクセサリーにでもしたくなる宇宙からの贈り物ですね。 私は見た途端、このデザインでピアス作ってだれかさんにプレゼントしたくなりました。 この天体は1987年1月に大爆発を起こした天体です。太陽よりもずっと重い星は 最期に超新星爆発とよばれる大爆発を起こします。しかし、爆発後の元気はどんどん なくなり徐々に暗くなります。 この天体も爆発から25年が経ちどんどん暗くなる一方でした。 この間、残り火のエネルギー源となったのは核分裂です。原子力発電ではウラニウムの 核分裂のエネルギーでお湯をわかし、熱い蒸気でタービンを回し、発電しますね。 この天体では、最初はニッケル、そして、後には、タイタニウムの核分裂のエネルギーで 光っていました。その燃料も尽きてきていました。 ところがです、最近この天体は暗くなることをやめ、ふたたび明るさを増し始めました。 明るさの秘密はピアスの中心ちかくのお魚さんのような形をした、その奥深くにあります。 そこでは爆発した星の破片が毎秒5000キロメートルという早さで広がっています。 このガスが回りのリング状のガスと衝突を始めました。 そこで衝撃波という波を作り 星の破片が超高温になり、そして、X線を放射します。そのX線が回りのガスを温め 光を発しはじめたのです。非常にややこしいプロセスですが、簡単に言うと爆発の爆風の エネルギーを使って光を増したということになります。 このような段階になるとこの天体の種別は超新星残骸となります。まだ、小さいですが、 やがて大きく膨らんで宇宙の風船の様になるはずです。図2の様に。 それまで千年ほどお待ち下さい。 (参考文献:Nature, vol.474, 23 June 2011, Larsson et al.) |
| もくじ に戻る| 図1 ハッブル望遠鏡による最近のSN1987A (NASA提供) 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/221-fig1.jpg 図2 超新星残骸 SNR 0509-67.5 (提供 NASA) 画像をクリック(拡大) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/221-fig2.jpg |