はくちょう座 星空案内をしていて、お客さんから見つけたときにかならずといていいほど 歓声があがる星座があります。 はくちょう座です。その形の美しさと大きさからでしょうか。 大きく開いた翼やくちばしに伸びた線が奇麗です。 ちょうどいまが見頃ですので、日が沈んで暗くなった7時から8時ころ はくちょう座を見つけてみましょう。 まず、体は東の方角に向け、そして頭上を見わたしましょう。 ほぼ頭上に際立って明るい星、こと座のベガがあり、そのすこし東に 北から南へ(左から右へ)伸びた星の連なりと上下に伸びた星の連なりが 大きな十字を作っています。はくちょう座の別名は北十字です。 図1をご覧ください。 北側(左側)の明る星が一等星のデネブでこれが白鳥の尾にあたります。 そして、南の端がくちばしにあたるアルビレオです。 大きな翼が直角に交わっています。 アルビレックス新潟というサッカーチームがありますが、この名前はこの くちばしの星アルビレオからとったもので、 チームのもとの名前はアルビレオ新潟FCです。 このアルビレオはとても奇麗な青と赤の二つの星からなる二重星です。 宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」でこの二つをサファイアとトパーズ になぞらえて表現しています。 小さな望遠鏡や双眼鏡で寄り添うように赤と青の星が並んでとても きれですので是非ご覧ください。 はくちょう座にはCyg X-1と呼ばれるブラックホール天体があるのですが この天体の観測に活躍した日本で最初のX線宇宙望遠鏡の名前が「はくちょう」 でした。 図2は、つい最近GALEXという宇宙望遠鏡でとったはくちょう座にある 天体の紫外線によるイメージです。 はくちょう座ループと言われる大きな輪で月が六つ入る大きさです。 ただ、非常に淡い光なのでとても背景が暗いところで大型双眼鏡などで とらえないとはっきりとは見えません。 これは1万年以上前に爆発した星の吹き飛んだ残骸です。 |
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