コル・カロリと春のダイヤモンド

今晩は春の星座を楽しんでみましょう。そして、「コル・カロリ」という星を 探し当ててください。

日が沈んで暗くなって、午後7時から8時頃北東の空を眺めてみましょう。 目が慣れるのに時間がかかりますので、ちらっとみて「見えないや」と 思ってあきらめないで5分くらいみていると見える星の数が増えてきます。 (それでも見えなければ曇っているということですが。)


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図1 4月3日午後7時半ころの東の星空

図の様に、北東のそらに北斗七星の「ひしゃく」の形がまず目につくでしょう。 ここが出発点です。 北斗七星が見つかったら、「ひしゃく」の柄の部分をなめらかに丸く延長すると 図のように「麦星」にぶつかり、さらに延長すると「真珠星」に至ります。 さらに、「ししの尾」とつなげると、奇麗な正三角形が出来上がります(図参照)。 これが春の三角形です。とくに「麦星」は、私はビール星と呼んでいて、 本当にビールと同じようなオレンジがかった色をしていて、しかもとても目立つ明るい星です。

慣れてくるとこの春の三角形と北斗七星の間にめだつ星が一つ見つかると思います。 これが今回の挑戦です。3等星なので暗い星ですが、周りに星が無いのでとても目立ちます。 この星の名前は「チャールズ王の心臓」です。ラテン語名で「コル・カロリ」と呼ばれることが多いです。 古いヨーロッパの星図ではこの星の位置には、ハートマークと王冠が描かれているそうです。 ちょっと図にもまねをして描いてみました。

春の三角形に今回見つけたコル・カロリを加えて菱形を作り春のダイヤモンドと呼んでいます。 コル・カロリを小さな望遠鏡で見ると、3等星と5等星の星が非常に接近していることがわかります。 つまり、二重星なのです。 公開天文台に行く機会があったら「コル・カロリを見せて」とリクエストしてみてください。 3等星の方の星には巨大な黒点のようなものがあって、星が自転すると星の明るさが変化します。 明るさが変動するところが心臓の名にふさわしい気もします。


references
総合ppt

図1 4月3日午後7時半ころの東の星空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/258-fig1.jpg http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/258-fig.pptx