ちょっとした発見をしたので今日はそのことをお伝えしようとおもいます。 日が沈むと西の空に木星が見えていますが、今私たちが見ている夜空と 全く同じ景色を4000年前のメソポタミアの人も見ていたのだと思ったのです。
日が沈んで暗くなるころ、西の空には図1のように木星が見えています。 明るい星なのできっと誰でも気がつくと思います。 宵の明星(金星)のようではありますが色合いが違うので木星だとわかります。
木星があるのは「おうし座」です。図のように牡牛の顔になっている逆三角形の 星の並びがあり、下の方には肩が見えています。上の方には二本の角がのびています。 奇麗なかたちですね。
こんな「おうし座」の姿を見ていた今日この頃、なのですが、古代メソポタミアの 図2のような印章の図柄を発見してドキッとしました。 これは4000年以上昔のメソポタミア地方アッカド王国の時代の円筒印章の図柄です。 これまでの研究でこれはおうし座を表しているのでないかと疑われている図柄です。 中央に牡牛がいます。そして角の上に星が描かれています。 そしてこの星は今見えている空(図1)と同じではないですか。 今私たちは4000年以上前のメソポタミアの人たちと同じ夜空を見ている?
図1の黄色い線は黄道といって太陽の通る道筋です。惑星たちもほとんど同じ道を 通るので、木星も黄道に沿っていますね。 金星も同じあたりをとおるので、今の木星のポジションに金星が入ることもあります。 こうして、牡牛の頭あたりに惑星が来ることは頻繁に起こることになります。 牡牛の肩のあたりに来ることもあるし、やもう少し上の方のふたご座に惑星が来ることもありますが、 図柄としては今の木星の位置が奇麗なのでこうして描かれるようになったのでしょう。
今回の偶然の発見で4000年前の人々と会えたような気がして嬉しかったです。