私たち太陽系は、2000万個ともいわれる星とガスの集合体です。 このような星とガスの大集団を銀河(渦巻き銀河)といいます。 宇宙にはたくさんの銀河があってそのいくつかは衝突を起こします。 図1はそのような衝突している銀河たちのコレクションです。 いろいろなぶつかり方をするのですね。
銀河同士がぶつかってもその中の星と星がぶつかるような事はほとんどないので 写真を見ていてもその衝突がそんなに激しいものだとは見えません。 図1も銀河の華麗な舞姿といった風情です。
しかし、普通の可視光の望遠鏡で見た図1とはまったく違った姿がエックス線望遠鏡で 見る事ができます。 衝突するガスが高温になってエックス線ではみえるからです。
図1の一番左の列の真ん中の写真はへびつかい座にある約3億光年かなたの、 NGC6240と呼ばれる銀河です。この銀河をエックス線望遠鏡「チャンドラ」で とらえた様子が最近発表されました。エックス線の画像を紫色で表して可視光線の 画像に重ねたのが図2です。写真で紫色に光るガスは衝突によって700万度の 高温になっています。
ガスがぶつかって圧縮されると、 星が次々に誕生する「星のベビーブーム」が始ります。 この銀河ではベビーブームが2億年くらい続いているようです。 ここで100億個ほどの星が誕生するでしょう。 太陽より重たい星も生まれ、それらは数百万年で歳を取って、超新星爆発を起こして 死んでゆきます。この爆発でガスが圧縮されまた新しい星が誕生するという連鎖反応が起こります。
このような激しい現象の中で酸素などの元素が作られてそれが回りの空間に広がっていきます。
ですから、生命の誕生にとってもこのようは星のベビーブーム現象は大切です。
このあと銀河のガスのほとんどは星になってしまいます。
すると最後には星ばっかりの大集団ができます。これが楕円銀河とよばれるものです。
わたしたちの銀河も別の銀河と衝突し、やがて、楕円銀河になっていくのでしょう。
references
図1
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/263-fig1.jpg
図2
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/263-fig2.jpg