来る6月23日の満月はスパームーンだそうです。 満月が見かけ上大きく見えることをさす言葉です。
月の大きさが実際に変わるわけでないですが、 地球から月までの距離が近くなったり遠くなったりするために、 見かけ上、月が大きくなったり小さくなったりしてみえます。 月の軌道が円でなくて楕円なのでそういったことがおこるわけです。
どのくらい変わるかというと、平均的な月の大きさに比べて、 5パーセントほど大きくなったり小さくなったりします。 来年からこの比喩は使えなくなりますが、 消費税程度の値段の違いに気がつくかどうかです。 当然気がつきますよね。 なので、注意して月を見ていると大きさは違って見えるはずです。
これは夏休みの自由研究のネタになりそうなので 少し詳しく調べてみましょう。
例えば、やまがた天文台の望遠鏡で図のように月を映し出すと 平均的な距離にある月だと直径11.0ミリメートルに映ります。 しかし、スーパームーンだと11.6ミリメートルになり、 小さいときは10.4ミリメートルになります。 その差は約1.2ミリメートルです。 デジカメなどで月を撮影すれば同様の測定ができますね。 ズームを効かせると大きさが変わるのでいつも同じズーム率で 撮るように気をつけてください。 比較できる建物などを一緒に映し込むのもいい考えです。
月の軌道周期は約一ヶ月ですので、 満月に限らず毎日撮影すれば、ひと月の周期で大きさが最大から最小まで変化することがわかるはずです。
さらに、図2を参照していただくとわかると思うのですが、 夕方に東の空を昇ってきたときに見る月にくらべ、 真夜中に南に見える月の方が、見る人の立ち位置が月に近いため、 月は大きく見えるはずです。 その差わずか1パーセントほどですが測定できそうです。 地球の半径はわかっていますので、この差から月までの距離を計算することができます。 これができたら自由研究大成功で表彰されそうです。 若い皆さん、挑戦してはいかがでしょう。
図1 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/269-fig1.jpg 図2 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/269-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/269-fig.pptx