惑星形成の降雪線

すべての物質は温度が高くなると最後は気体になってしまいます。 すべての物質です。鉄だってそうです。 原子がばらばらに飛び回っている状態です。 鉄は高温でどろどろ融けた液体になり, さらに温度が上がれば最後は気体になります。 鉄の気体です。きっと、空気みたいで目には見えないでしょうけれど。 いや、高温なので光る気体かも知れません。 意外と奇麗かもしれませんね。

逆に、温度が下がってくると、原子同士が結びついて分子になり、 分子気体になります。 さらに、温度が下がると最後には分子が集まって固体になります。 例えば、水は水素と酸素の原子で構成されています。 高温では水素と酸素の気体ですが、温度が下がると水分子になります。 水分子の気体はおなじみの水蒸気です。これをどんどん低温にすると 固体の氷になります。大気中で固体になったら雪です。

宇宙にたくさん存在する元素
元素名記号
水素H
ヘリウムHe
酸素O
炭素C
ネオンNe
窒素N
マグネシウムMg
ケイ素Si
Fe


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図1 出来たばかりの恒星の回りの気体は温度が下がってくると固体となり惑星のもとになります。 水などが固体になるところをスノーラインといい、そこよりも外では雪となりそれが集まって氷惑星ができます。

地球のような惑星が出来る時、中心にある太陽のような星のまわりには 宇宙の気体が円盤のように取り巻いています。 気体の成分は表1のようです。 図1のように星のまわりは高温なのですべての元素が気体ですが, 星から遠ざかって温度が下がるにつれ、分子の気体になります。 表にある元素が原料となるので、水、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、酸化ケイ素(岩石の主成分)、 酸化鉄などが分子として出来そうです。星から遠くなるとこれらは固体になります。 比較的高温でも固体になるのは酸化ケイ素や酸化鉄などの岩石的な物質です。 あるところから外では温度が下がって、水や二酸化炭素が氷やドライアイスになります。 この氷ができはじめるところをスノーラインといい、そこよりも外では雪や氷が形成されます。

スノーラインの内側では岩石が集積し、水は液体になれますので、地球のような惑星が で来そうです。 スノーラインの外側では、氷と岩石の惑星ができ、さらにまわりのガスも引き寄せて、 木星、土星、天王星、海王星のようなタイプの惑星が出来たと考えられています。


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図2 アルマ望遠鏡で見つかったうみへび座TW星の一酸化炭素のスノーライン(国立天文台提供)

最近アルマ望遠鏡がすごい画像を公開しました。図2の緑色のところが 氷が出来ているところで、青い円がスノーラインです。 図1で予想された構造が実際の観測から確認できます。 図2のスノーラインのちょっと内側のあたりにきっと地球のような惑星が出来るのでしょう。 最近の観測はめざましく、第二の地球ももうすぐみつかりそうな気がしてきませんか。

参考
宇宙にたくさん存在する元素
元素名記号性質など
水素Hいろんな元素と結合しやすい
ヘリウムHe他の元素と結合しにくい
酸素Oいろんな元素と結合しやすい
水素と結合すると水
炭素C酸素と結合すると二酸化炭素,一酸化炭素
ネオンNe他の元素と結合しにくい
窒素N水素と結合するとアンモニア
タンパク質に必要
マグネシウムMg
ケイ素Si酸素と結合すると岩石の素材の酸化ケイ素
Fe


references

図1 出来たばかりの恒星の回りの気体は温度が下がってくると固体となり惑星のもとになります。 水などが固体になるところをスノーラインといい、そこよりも外では雪となりそれが集まって氷惑星ができます。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/275-fig1.jpg 図2 アルマ望遠鏡で見つかったうみへび座TW星の一酸化炭素のスノーライン(国立天文台提供) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/275-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/275-fig.pptx