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図1 10月2日午後9時頃の空

今晩9時頃に夜空を眺めると真南に、太陽から一番遠い惑星「海王星」が見えています(図1)。 その色は真っ青で、とても魅力的な青です。 一生に一度は見ていただきたい星の一つなのですが、 いかんせん遠く、明るさも7等星で肉眼では見ることができません。 それでも小さな望遠鏡があれば見ることができるので、 お近くの公開天文台などで、 「海王星を見せて!」とリクエストしてみてください。

光の早さはとても早くて、月まで1秒あまり、太陽までは約8分で到達できます。 しかし、その光をもってしても海王星までは4時間もかかってしまいます。 もし、海王星に移住した恋人がいて、電話したとすると、 「もしもし」といってそれが伝わるまでに4時間、「はぁーい」と返事がもどってくるのに また4時間、さらに、「元気かい」「元気だよ」「会いたいね」「そうね」以上の会話で24時間かかってしまいます。 宇宙は広く、宇宙との通信はとても困難です。


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図2 ボイジャー2号によって撮影された海王星(NASA提供)

図2はボイジャー2号がそばまで13年かけて行って、撮影した海王星の写真です。 シャッターを切るときの命令は電波で4時間かかるることを考慮して事前に軌道を予測の上、 発信する必要がありました。 青い色は、海王星の大気に 含まれるメタンが赤い色の光を吸収するためです。

惑星ができたころの話です。 太陽のまわりをとりまくガスは冷えてくると、まず、岩石質のものが固まり惑星の核をつくります。 これは、地球も木星も海王星もどの惑星でも同じです。 ただ、太陽に近いところでは温度が高いので水や二酸化炭素、メタンなどは気体ですが、 太陽から遠くはなれた海王星の位置はとても寒くて、これらは氷(固体)になってしまいます。 なので、岩石質の核のまわりには氷が覆って惑星ができています。海王星が氷の惑星といわれる所以です。 氷の上には大気がまとわりついて風が吹いたり雲ができたりします。 地球の大気には酸素がふんだんに存在しますが、海王星では水素、ヘリウムが主でこれにメタンなどが 混ざってきます。 青い色が象徴するようにマイナス200度以下の氷の世界ですが、なぜか魅力を感じてしまうのは私だけでしょうか。


references
図1
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/284-fig1.jpg
図2
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/284-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/284-fig.pptx



参考:
海王星 Neptune r=30 au R=3.9R_E = 1/3R_J M=17M_E P_orb=164yr P_rot=0.67day=16hour Temp_surf = -220C core + mantle(ice)+atm 4rings composition atm H 84% He 12% CH4(metane)