銀河団 星図というものがあります。地球上に経度と緯度を設け、 その目盛の上に海岸線や地形を書いてゆき地図が作られ ます。同じように、星空(天球といいます)の上に経度と 緯度の目盛を設け、その上に星を記してゆきます。星座 の形が図の上に現われます。さらに、星の名前を書き、星座と 星座の境界線をちょうど国境のように描きます。こうやって 作られた星図の例を図1に示しましたので御覧ください。 3月上旬の真夜中ころ南東の夜空に見えているおとめ座 あたりが描かれています。 一方、星ではなく銀河というものがあります。うずまきや楕円 の形をした雲のように写真に写りますが、実際は千億個 にものぼる星の集団です。たくさんの銀河がありますので その銀河が星空のどの位置に有るかを示したちょっとめ ずらしい地図があるのでそれを御覧ください。図2です。 図1とほとんど同じ場所の地図です。たくさんの銀河が おとめ座のあたりに有ることが分かります。しかし、星 の並び方と銀河の並び方は違うことに気がつきます。星 の並び方は、おとめ座、からず座、などとこじつけて何 かの形に見立てますが、虚心坦懐に見るとでたらめに分 布していると言うべきでしょう。それに比べて、銀河の 分布は非常に密集した場所があり、また、帯状にも見え ます。銀河がほとんど無いぽっかり空いた「ボイド」と 呼ばれる空間もあります。図2に見るような銀河が密集 した部分を銀河団といいます。宇宙には銀河が多いとこ ろと少ないところ、つまり、かなりむらがあります。な ぜこんなことになったかは宇宙の歴史と関係しています がこれについては別の機会にお話しますね。 図1 おとめ座付近の星図 (アストロアーツ ステラナビゲータを使用して作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/29-fig1.ppt 図2 銀河の地図(おとめ座付近) 色は銀河の後退速度、形は銀河の型分類を表しています。 ("Nearby Galaxies Atlas", Tully and Fisher 1987, 山形大学図書館蔵) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/29-fig2.ppt