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図1 2月上旬午後７字頃の星空
晴れましたら夜７時ころから８時頃にかけて天頂(頭上)の星々をご覧ください。 体を南に向けて真上を見上げると図１のような星々が見えます。
やや西(右)側に、「ごちゃごちゃ星」ならぬプレアデス星団があります。 目の良い人であれば７つの星が密集しているのが分かります。 双眼鏡があれば数十個の星が見つかるでしょう。 一方、やや東(左)側には、オレンジ色の一等星「アルデバラン」とそのまわりに V字形の星の並びが見つかります。広がってはいますが、 これもまた同じくらいの数の星の集団でヒヤデス星団とよばれます。
プレアデスは美しい７人姉妹とギリシャ神話ではいわれ、なんだか若い娘たちの ような印象です。確かにきれいでありますが、果たしてこれらの星たちの真の年齢は どれくらいでしょう。
星には明るさと色という二つの性質があります。 それを縦軸、横軸にとってグラフを作ることができます。 図２のようです。 生まれたばかりの星団の星々はこのグラフでは、 左上の青くて明るい星々から右下の赤くて暗い星々と、きれいに黒い線の ように並びます。 ところが星団が歳とってくると、青くて明るい星はこの黒線からずれて、 右に移動していきます(赤くなります)。 年齢が経つほどたくさん右にずれていきます。 歳をとるとしわが増えるようなものです。 この様子は非常によく理論的に計算されています。
観測からプレアデスやヒヤデスの星々の明るさと色を測定し図に書き込むと、 黄緑色とオレンジ色の線が得られました。 これは理論的に計算された、１億年と4億年の線とそれぞれ一致しました。 こうしてプレアデスの年齢は１億歳、ヒアアデスの年齢は４億歳であることが分かりました。 これは、 理論的に年齢としわの数を計算しておき、実際のしわの数から歳を当てるようなものですね。
すごく歳とっているような気もしますが、太陽が５０億歳ですから、星の年齢のスケールで
いくと、太陽が５０歳、プレアデスは１歳、ヒアデスは４歳ということになるでしょう。
ギリシャ神話のの美しい７人姉妹は１歳だったんですね。
references
図1 2月上旬午後７字頃の星空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/301-fig1.jpg 図2 星の明るさと色の図 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/301-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/300-fig.pptx
参考：
Tordiglione, V., Castellani, V., Degl'Innocenti, S., & Prada Moroni, P.~G. 2003, memsai, 74, 520