日本で古くから使われてきた星の並びに付けられた名前のことを、 星座の和名といいます。 古代オリエントでは、星座の名前、星の神話が豊富で、また、おもだった星には どの星にも名前がつけられていて、 私の率直な感想としては、 星の和名は古代オリエントに較べると見劣りすると思います.
それでも星を覚えるには和名は便利です. たとえば、うしかい座のアークトゥルスという名は覚えにくく、 和名の「麦星(むぎぼし)」の方が覚えやすいですね. しかも、色が麦酒(ビール)のような黄色みがはいった、 おいしそうな色をしているので その連想からもお勧めの和名です.
今日はさらに4つばかりの和名を図1に紹介します. 絵を見ただけで名前がわかりますか。
Aは「つづみぼし」です。 楽器の鼓ですね。たしかにその形に見えます. オリオン座にあたる部分です. Bは「いかりぼし」です。船の錨です。 カシオペアのW形とケフェウス座の星をつないで錨の形にしています. Cは「つりがね」星です。お寺の鐘をイメージした星座です。 西洋の星座ではおうし座の牡牛の顔の部分になります.
今週なら夜の8時頃の夜空をみると、 真南に高くにつづみ星が昇っていて、 その、右上につりがね星が見えます. 釣り鐘は上を向いてV字形になっているのでつりがねというより お椀のようです. 北の空をみると、真北に北極星がありますが、そのすぐ左手(西側) にいかり星が見えています. こうやってみると、西洋の名前より親しみがもてて、覚えやすいと思いませんか. もっと、和名を作りたいですね.
最後に、図1のDは、西洋の星座としてはさそり座ですが、 和名は何でしょう. これは釣り針にみたたて、「うおつりぼし」と呼ばれます. これは夏の星座なので今は見えません。7月頃によく見えますので 楽しみにしてお待ちください.
図1 日本の星座 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/302-fig1.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/302-fig.pptx
参考: