ブラックホールや中性子星のような大質量の星が激しく動き回りついには合体する というすさまじい出来事があると、空間のゆがみが発生し、それが宇宙を渡り、 地球にも届きます。 これを重力波とよびます。 この重力波をとらえようとする試みがなされています。


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図1 重力波の見つけ方

図1が原理図です。Aからレーザー光線を発射します。 Bは光を半分透過し、半分反射する鏡です。 Aから出てBを透過した光は全反射の鏡Cで反射されBにもどってきますが 一部は反射されEの観測者に届きます。 もうひとつの経路は、Aから出た光がBで反射して、全反射の鏡Dに至る場合です。 この光はDで反射され、一部Bで透過して、Eの観測者に至ります。 ここで二つの鏡までの距離、aとbは等しくしておきます。 このようにしておけば、Cで反射した光とDで反射した光が同時に観測者Eに到達し、 強め合います。

もし、重力波がやってきて空間に伸び縮みを発生するとaとbが等しくなくなり、 差xを生じます(x=a-b)。光が強め合わないので分かります。 こうして重力波が見つかるわけです。

ブラックホールと言えども、この空間のゆがみはわずかです。 具体的にどのくらいの測定をするかというとこんな風です。 まず、a=bの距離を3キロメートルに作ります。 そして、測定するabの差が凄まじく微妙な差です。 原子の大きさが1億分の1センチメートルで、 その10万分の一が原子核の大きさです。 その極微の原子核のさらに一万分の一の長さを測定するのです。

現在、岐阜県の神岡に、東京大学宇宙線研究所を中心として、国立天文台、 高エネルギー加速器研究機構などが協力してこのような「重力波望遠鏡」 が建設されています。 この望遠鏡の愛称は「かぐら(KAGURA)」です。 宇宙が奏でるおかぐらのように空間の振動が聞こえるのでしょう。 実際、この観測装置でとらえることのできる重力波の振動数は人間の 耳に聞こえる音と同じくらいです。 中性子星の合体や宇宙初期のことなどさてどんな不思議が見いだされるか 楽しみです。


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図2 計画中の重力波望遠鏡「かぐら」(国立天文台ニュースNo.247より)

references
図1 重力波の見つけ方
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/313-fig1.jpg
図2 計画中の重力波望遠鏡「かぐら」(国立天文台ニュースNo.247より)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/313-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/313-fig.pptx



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