宇宙は約138億年前に始まったと考えれています。 太陽の寿命は約100億年です。 一方、人間は歴史が始まってから1万年くらい。 宇宙の歴史はゆったりと長く、 人間の歴史はその中の一瞬です。 そして、 人間が生きている間には宇宙はほとんど変化しないように錯覚してしまいます。
しかし、人間の短い歴史の中でも激動する宇宙の姿は見えます。 その一例として超新星爆発という現象を見てみましょう。 質量の大きな星はその一生の最後に大爆発を起こします。 それを超新星爆発とよびます。 爆発膨張するガスは何万年もの間見え続けます。
西暦185年に爆発が見えた超新星の跡が今も見えています(図1)。 ちょうど日本では邪馬台国の卑弥呼が居たという時代です。 卑弥呼もとつぜん光りだした星を見たのでしょうか。 時代は下って、386年に爆発が見えた超新星のあとが図2の二番目の画像です。 古墳時代と呼ばれる頃でしっかりとした国の姿がわからないくらい古い時期です。 そのときの爆風が現在ではここまで広がっているのですね。 つぎは、藤原定家の名月記にも記載されている1054年に見えた超新星爆発の残骸です。 現在ではその爆風の部分をカニ星雲と読んでいます。
次の三枚の画像は比較的連続して起きた爆発で、 1572年、1604年、1680年に爆発が見えています。 現在見えている図の三つの写真の爆発の残骸には愛称があって、 順に、チコの超新星残骸、ケプラーの超新星残骸、カシオペアAと読んでいます。 日本の歴史に会わせて名前をつけると、 信長の超新星残骸、家康の超新星残骸、綱吉の超新星残骸となるかもしれませんね。 図の年代目盛りを見ると連続た爆発に見えますが、 歴史はその三回の爆発のうちに大きく変化しました。
図の全体をながめると、ここしばらく超新星爆発が見えていませんね。 なんだかそろそろ起こっても良いように見えます。 そして、世界の歴史もその間に大きく変化するのでしょうか。
図1(二枚組)歴史にのこる超新星爆発の残骸 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/316-fig1.jpg http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/316-fig1.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/316-fig.pptx
参考: