中国の星座は、今から2,500年位くらい前にすでにできていて、 西洋のもとは違った独自のものです。
星座は大きく分けて2つのグループがあります。 第1のグループは 「二十八宿」と呼ばれる天の赤道に沿って作られた 28の星座です。 なぜ、28かというと月が約28日で星座を一巡することによるもので、 星占いや暦に重要な役割をもっています。
第2のグループは、古代中国の社会や身分制度がそのまま反映された250 あまりの星座たちで、北極星(当時はこぐま座のβ星)を天の皇帝とし、 そこから皇族、官僚、軍隊、庶民…といった星座が配列され、 天の北極から遠ざかるほど庶民的な星座になります。 唐の司馬貞は「星座に尊卑あり。人の官曹列位のごとし」と書いていて、 星の世界も人間の世界と同じと見ています。
すごく面白いのは「天人相関説(てんじんそうかんせつ)」という儒教の考えです。 天子が悪政を行えば、大火や水害、地震、彗星の飛来などをもたらすと信じられていました。 なので、星空に異変が起きたりしたら、地震災害でも同じですが、 政治が悪かったに違いないと、 一生懸命反省点を探してそれを直そうとするわけです。 これは一種占いのようなものですが、これはいい占いの使い方かもしれませんね。
具体的にちょうど今夜7時頃の空で中国の星座を見てみましょう。 西洋の星座ではおとめ座の位置を示しました。 亢宿、角宿、軫宿は先に述べた第一グループ「二十八宿」の中の星座です。 他の星座は第二グループで天の世界を表しています。 天の門から左手に天の田んぼをみながら、東と西の城壁の間を通って、 謁見準備をして、上方の北極星にある天子の居る場所へ入って行くことになります。 なかなかリアルに作ってありますので、他の星座も探検したくなります。
図1 今晩7時頃南の空の中国の星座 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/317-fig1.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/317-fig.pptx
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