しし座に土星がよくみえています だいぶ春らしくなってきました。日が沈み7時ころ外に出 てみると、真上には冬の星座が輝いていますが、東の空を 見ると、春の星座のしし座が天に向かって駆け上がらんばかりに昇って きています(図1)。すこし詳しく見つけかたを説明します。 東の空、地平線から30度から40度くらい登ったところ に明るい星がふたつみえるはずです。そのまわりを良く観 察すると図のように、ライオンの姿が浮かびあがってきま す。 ししの心臓の位置に一等星のレグルスが見えています。そ のすぐ下にちょっと黄色みかかったもっと明るい星が見え ます。これは土星です。レグルスと土星が並んでいるので 非常に見つけやすいとおもいます。 土星はきれいな輪をもっているので、望遠鏡の観察ではも っとも人気のある惑星です。土星のみかけの大きさは太陽 の百分の一くらいです。実際の大きさは太陽の十分の一く らいあります。太陽の十分の一の大きさなのに見かけでは 百分の一のサイズに見えるのは土星が太陽にくらべてずっ と遠くにあるからです。地球と太陽の間の距離の十倍くら いの距離にあると考えればつじつまがあいますね。 土星まではそのように遠いのですが、地球から打ち上げられた 土星探査機「カッシーニ」が土星に到達し土星の回りを回る 軌道に入りました。2004年7月のことです。そして、いまで も土星の回りを回りながら土星の研究のためのたくさんの 画像を地球に送り続けています。図2はカッシーニから送 られて来た画像のひとつです。地上の望遠鏡で見るよりは るかに詳しい土星の様子がわかります。 まずは、東の空で土星を見つけてください。そして近くの 天文台などで望遠鏡を使って土星を御覧下さい。 図1 東のそらから昇ってくるしし座と土星 (アストロアーツ ステラナビゲータを使用して作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/32-fig1.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/32-fig1.jpg 図2 土星探査機「カッシーニ」によって撮影された土星(提供 NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/32-fig2.jpg