「ハニームーン(蜜月)」って話題になってますがどんな月ですか、という問い合わせあって、 満月のようにぽかっと口をあけて、何だいそれは。 ということで早速ネット検索した顛末です。
毎年6月21日頃に夏至になります。この日は太陽はとても高く昇ります(図1)。 山形でしたら、頭上からわずか15度のところまで昇ります。 この日差しの強さがちょっと遅れて、約2ヶ月後の暑さになってやってきます。
お気づきでしょうか。最近、朝日は北の窓からも差し込みます。 北の窓のカーテンを開けていたら朝日の直撃をうけて、寝坊はできません。 図1のように、 この夏至の日の太陽は緑の線上を動くので日の出は真東よりずっと北によっているからです。
さて、問題は満月です。満月の位置はちょうと太陽と180度反対側に位置します。 なので、図1では太陽の正反対の位置に黄色い円で描いています。 日中は地球の裏側に回っていますが、夜になると図の青い線に沿って昇ってきます。 これはちょうど冬至の日の太陽の動きと同じです。 冬至の日の太陽は低く、地平線をはうように動くのと同じように、 夏至の日近くの満月は低く、低空飛行します。
地平線からの高さが低いときは夕焼けと同じ効果で、月はやや赤みを帯びて見えます。 なので、夏至の頃の満月は低く、やや「密色」になり、 ハニームーンと呼ぶことになったようです。 いろいろ言葉を考えつく方がいるものだと関心してしまいます。 ともあれ月を楽しむのはいいことです。
夏至に関わらず地平線近くの月は赤いのでお楽しみください。 図2は熊谷美恵さん(NPO法人小さな天文学者の会)が6月17日に撮影した赤い月です。 皆さんも赤い月を探してみてはどうでしょう。
図1 夏至の頃の太陽と月の動き http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/320-fig1.jpg 図2 赤い月 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/320-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/320-fig.pptx
参考:
図2は熊谷美恵さん(NPO法人小さな天文学者の会)が6月17日に撮影 この角度は、緯度の約38度から地球の公転軌道面からの自転軸の傾きである23度を引いて得られます。