宇宙のシャボン玉

宇宙のシャボン玉といいたくなるような星雲があります。 惑星状星雲と呼ばれます。 昔、望遠鏡の性能がそれほど良くなかった時代、 木星や土星のような感じに見えたからその名があります。 しかし、惑星とは全く関係なく、 数千光年も彼方にある宇宙の大きなガスの泡のようなものです。

たくさんある惑星状星雲から6つ選んで図1に並べてみました。 その形を楽しんでいただきたいと思います。 泡のように丸いもの、細長いものが二方向に伸びたもの、 リング状のもの、ほんとうに様々な形があり、 ちょうどアクセサリーを探すように楽しめます。

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図1 左上から右下にかけて
(1) IC482(うさぎ),(2) NGC6543(りゅう)
(3)M2-9(へびつかい),(4)Hb12(カシオペア)
(5)NGC6826(はくちょう),(6)M57(こと)
()内は星雲がある星座の名前。提供:NASA

太陽のような星は、核融合反応という仕組みでエネルギーを発しています。 そこでは、水素からヘリウムが合成されます。 星はほとんど水素からできていますから、燃料は一杯あるのですが、 それでもやがて星の中心部の水素はやがてすべてヘリウムになってしまいます。 するとヘリウムから炭素や酸素という元素が合成される反応がおこります。 これは星の中心部で非常に高温、高密度の状態で起こる反応です。 私たちの太陽もあと50億年ほどでこのような状態になります。 中心は高温ですから、星は着ている服を全部脱ぎたいのでしょう。 中心部以外の星のからだは蒸発するというか、なんといっていいか分かりませんが、 どんどん広がって、光る雲を形成します。 これが惑星状星雲です。 写真をよく見ると中心核の部分が光る点として見えています(白色わい星と呼ばれます)。

星によって服の脱ぎ方に個性があって、図のように様々な星雲になります。 どうしてこんなにいろいろな形があるか、その理由はよくわかっていません。 不思議ですね。でも、どの星にも個性があるというところはやけに共感してしまいます。


references
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig2.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig3.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig4.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig5.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/323-fig6.jpg
図1 左上から右下にかけて
(1) IC482(うさぎ),(2) NGC6543(りゅう)
(3)M2-9(へびつかい),(4)Hb12(カシオペア)
(5)NGC6826(はくちょう),(6)M57(こと)
()内は星雲がある星座の名前。提供:NASA 写真は適宜トリミングして、記事のレイアウトにあわせて並べ方などはお任せします。

参考: